みのるが語った猪木アリ

大きな盛り上がりの中、

後半戦に突入の『G1クライマックス 24』

その中で今大会における鈴木みのるのテーマは『覚醒』。

フィニッシュ技として、ゴッチ式パイルドライバーから逆落とし→スリーパーが復活しています。

間違いなく後半のカギを握る一人ですね。

その鈴木が語った“あの一戦”を読み返してみましょうか。
猪木引退特番での猪木アリ検証4

そう…1976年6.26 日本武道館

格闘技世界一決定戦

アントニオ猪木vsモハメド・アリ


中邑真輔同様(参照:中邑が語った猪木アリ)、DVDを観ての感想です。

燃えろ! 新日本プロレス エクストラ 猪木VSアリ 伝説の異種格闘技戦 【初回入荷限定特典付】 [分冊百科]
 燃えろ! 新日本プロレス エクストラ 猪木VSアリ 伝説の異種格闘技戦

現在発売中の『KAMINOGE』のレギュラーコーナー“鈴木みのるのふたり言”において、

聞き手はもちろん堀江ガンツ

KAMINOGE vol.32
 KAMINOGE vol.32 より

鈴木
「全部観たよ。これまでも途切れ途切れの映像は観たことあるけど、フルで観たことはなかったし。会見の映像も、ラウンド間の細かいやり取りなんかも観られるから、どうしても観たくてね」

「異種格闘技戦っていうのは、ウィリエム・ルスカ戦とかはビデオで全部観てるんだけど、やっぱりアリ戦は、それらとは全然違うね」


当時、バリバリのテリー・ファンクファンだった為、

この試合は記憶にないという鈴木は、

酸いも甘いも知った上で、この試合を観た率直な感想を語っています。
猪木引退特番での猪木アリ検証17

鈴木
「まず、猪木さんが『アントニオ猪木』じゃなかった。『アスリート・猪木寛至』だった。そんな感じ。だから、凄いリアルに伝わってきた」

「うん。顔が『アントニオ猪木』じゃなかったもん。観客に対して魅せるってものを排除した、ストレートな表情があれなんだろうね。俺は力道山vs木村政彦の映像も観たことあるんだけど、そのときの2人の表情ともまったく違う。“無”に近い顔してたよね」


数々の名勝負において様々な表情を魅せてきたアントニオ猪木

その猪木も飾りを一切捨てて対峙しなくてはならかったのが、

“ザ・グレーテスト”モハメド・アリでした。

鈴木の見解は以下の通りです。

鈴木
「ただ、俺は試合前の記者会見も全部通して観たんだけど、あの時点での猪木さんは、正直言ってビビってるように見えた」


試合前の何度かの顔合わせにおいて、

“動かざること山の如し”といった猪木の心境は、

実はビビって対応出来なかっただけだ、と。
猪木アリ調印式

当時の猪木とアリでは知名度において、

“天と地”以上のものがあったと言われます。

鈴木
「まずボクシング側がプロレスラーってものをバカにしてるんだよね。要は『俺のほうが全然強いけど、おまえの遊びに付き合ってあげるから』みたいな態度なのが凄く見える。それに対する猪木さんの喋りが全然ダメなんだよ。だから、失礼を承知で言えば、俺は猪木さんがビビってるように見えたんだよね」

「『やってやるぞ』って緊張感よりも、萎縮してる感じ。そこをアリがいじめっこみたいに、『ほらほらほら』ってからかっているという。猪木さん本人は絶対に『ビビってた』とは言わないだろうけど、何も返せなかったことも確か」


ここら辺りは映像を観て私も感じた、

単なる“昭和の悪ガキ”風情のアリ。
猪木引退特番での猪木アリ検証15

ただ、私の見解はちょっと違うんですよ…。

鈴木
「まあ、そんな状況でも、リングに上がったら、まったくビビってるようなそぶりを見せずに、無の境地まで持っていけるから凄いんだけどね」


そうなんです。

試合となればほぼフラットな状態で、

目の前のアリを蹴り倒す事だけに全神経を注ぐ猪木の表情。
猪木引退特番での猪木アリ検証22

あんなにまっすぐな目…他の格闘技者でもなかなか見られませんよ。

その闘いぶりだけでも日本人として、

またスポーツ選手として大偉業じゃないでしょうか。

鈴木
「総合がない時代だからね。ボクシングっていう、当時格闘技の中で最もメジャーな世界で飛び抜けた存在であるアリに、『勝てる』って言える、他競技の選手はそうはいなかったと思うよ。実際、アリがたった2回か3回しか出してないジャブ、あれすげえ音するんだよね。ボカーン! とかデカい音がして。『うわ、何このジャブ』って。あれは絶対食らいたくないよ」

「同じヘビー級ボクサーでも、食らった人はみんな倒れてるわけだしね。日本人、アジア人なんか、アリと同じ舞台にも立つことはできなかったんだから」

「夢の世界ですよ」


その通りですよね。

実際にリングに上がる鈴木にとっても、

ましてや下からリングを見上げる立場の我々ファンにとっても、

この映像の中の世界は“夢”そのものです。
猪木アリ特番44

今回、改めて映像が出てくるまで長きにわたって、

『この試合は(or も)フェイクである』という説が根強くありました。

ですが、インタバルまでカットする事なく収録されたこの一枚で、

いろいろな事実が見えたと思います。

鈴木
「だからさ、猪木さんのスライディング・ローキック。いまで言うアリキックだけど、あれが俺には偽物だとか作り物っていうふうにはまったく見えない。いろいろ言う人もいるけど、DVDを観れば、ラウンドごとにアリの脚が腫れていくのがハッキリとわかる。あれはキックボクシングのダメージと何が違うの? UFCと何が違うの?」


現在、競技として行われている格闘技の、

勝利のみ目指して闘っていく姿と何が違うのか?

鈴木の師である藤原喜明が、

裏のリングで自らの命を削った闘いを差し置いて、「最高の闘いだった」とこの試合を形容する意味がそこにあるのでしょう。
スポコン!での猪木アリ検証11

鈴木→藤原→猪木…と来れば、

行き着く名前は神様ですね。

鈴木
「あの作戦を誰が考えたか知らないけど、それは発想が
(カール・)ゴッチさんっぽいなあ。俺、試合以外で一番印象に残ったのは、セコンドにいるゴッチさんの姿だから。ラウンド間に一生懸命、猪木さんに何かを言ってるんだけど、あれはきっと『大丈夫だ、このまま続けろ』って言ってるはずなんだよね。で、ガマンしきれなくなったときに、そこを狙われるから、ガマンし続けろと。逆に相手がガマンできなくなって、そこを猪木さんが仕掛けたシーンがいくつかあったよ。あれがおもしろかった」


鈴木がこのDVDを観る裏テーマは、

カール・ゴッチの一挙一動だったと思います。

ただゴッチさんの証言では、この試合における役割は、

ちょっとだけ違う部分にあった様なんですよね。
猪木アリ戦のセコンド

最後に鈴木はこの映像を通じて、

自分が現在ホームリングとしている新日本の選手にメッセージを送っています。

鈴木
「いまの時代って、プロレスラーがそういうものに関わることがなくなったじゃん。新日本プロレスは、いまやWWEに次ぐ世界第2位のプロレス団体になったと思うけど、誰も
(格闘技と)関わることはなくなった。プロレスに取り込んだカタチとしてなら、こないだのグレイシーみたいなものがあったりするけど。でも、格闘技と関わらなくなっても、そういったものに挑む心、気持ちは残してほしいね。要は“避難訓練”は常にしとかなきゃダメなんだよ」


そこで最初に話を戻しますが、

今回のG1での『覚醒』…実はこのDVDも大きく影響しているのではないでしょうか。

いろんなものが集結して一気に活気を帯びた今の新日本。

鈴木はそこに不足しているパーツを見つけたのではないでしょうか。

ほとんどの選手が見えない、見えても向き合わないパーツ。

「新日本じゃなくてNJPWだよ」というファンに対して、

「ああ、やっぱり新日本だなぁ…」と言わせる為の『覚醒』。

これもプロレス史における革命運動かも知れませんね。

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tag : アントニオ猪木 モハメド・アリ 格闘技世界一決定戦 鈴木みのる

comment

Secret

AJとゲラゲラポー歌ってる人達

え~、長文になりま~す(笑)

このKAMINOGEでのインタビュー、このくだりを拾ってもらいたかったんですよ!私は!
さすが、レガ氏だわ(笑)

新日本から猪木的なものを排除したことは、パンクラスから鈴木的なものを排除された時と、どこか似てる部分があるんじゃないですかね?
現在のパンクラスはMMA団体です。
ですが、パンクラスイズムを持った選手はまだいます。

どんな志を持ち、どんな思いで、その団体を立ち上げたか?
そして、団体を背負ってきたか?
背負うということは、言い換えれば、リスクです。
上から金貰って、与えられた仕事を一生懸命やるのは当たり前のこと。普通の人。勿論、それをダメと言ってるわけではないですよ!
背負うっていうのは、それ以上、それ以外が出来るかどうかってことですもんね?

正直、私も「鈴木みのる、ブレてきてねーか!?いや、確実にブレてる!!」と思ったことが何回もありました。
鈴木は新日本にどうこう言う以上、ソレをしっかり証明しないと。新日本のリングで。レガさんのいう、『パーツ』の部分ですよ。
覚醒がアングルじゃないことを祈ります。

ちなみに私はアントニオ猪木が元祖ハイブリッドレスラーだと思っています。

―――――

先日の鈴木vsAJは良かったんじゃないですか~?
私は面白かったです。
えぐいグラウンドでの攻撃がありましたね。
それやって大丈夫なの?みたいな。ちなみに、あの指折りじゃなく。

鈴木はブログでシュートサインについても書いてましたよね?
今の時代、ソレを蔑ろにしないレスラーって貴重だと思います…てか、そうじゃなきゃアカンやろって話なんですけど(笑)
まぁ、試合への煽りも含まれてるでしょうがね。
いつか言ってやろうと思ってたんじゃないですか?

ピストルですよ。
桜庭が中邑にやった時はゾクゾクしました。
ミック・フォーリーのやつは「馬鹿だな~(笑)」と思って見てましたけど(笑)

そういえば、先日、NOAHのタッグリーグ開幕戦でタイガーマスクが不穏試合をやったことはご存知ですか?一方的にですが。
あれもプロレスの中のものですよね?
ナマの感情を出すことが、プロとして恥ずかしいことだとは全然思わないんですよ。私はね。
あ、べつに喧嘩しろってわけじゃなくて。プロレスなので。
そういった意味での緊張感は無くしたらマズイんじゃないの?って話です。

―――――

私は今、大事な仕事が控えており、ホントは新日とか、NJPWとか言ってる場合じゃない状況です…(涙)
「ぶっちゃけ、G1の優勝者とか、そこまで興味ねー」って感じだったんですよ(苦笑)
…だけど、コリャ、きちんと追って見てかないとダメですな(笑)

No title

猪木がビビってる・・・という見方は新鮮でした。
まぁ、しかし、一歩引いた目で見ると
「ビビってもしょうがないよな」
とは思ってしまいますね。
負けた時のリスクという部分ではアリの方が多いと考えがちですが、おそらくですがアリが負けた時点での本国での評価は
「まぁ、そういう試合だったんだろ」
というものかも知れません。
それこそ「茶番だった」と言っちゃえば終わるような。
猪木はそうはいかないでしょうからね。
下手したら馬場から
「よりによって、一番弱い奴が出て行った」
と言われかねないです(苦笑)



『要は“避難訓練”は常にしとかなきゃダメなんだよ』
これすごく大事ですよね。
一昔前なら「最強でなくてはいけないんだよ!!」とファンですらも怒りの声をあげるでしょうが、そういう時代でもなくなってきました。


>宮ゲさん

このくだりを拾ってもらいたかったんですよ!私は!<お褒め頂き光栄です。

新日本から猪木的なものを排除したことは、パンクラスから鈴木的なものを排除された時と、どこか似てる部分がある<あ、そういう事ですね。
観る方によるんでしょうけど、私は鈴木が菊田に敗れたあたりからめっきりパンクラスとは疎遠になってしまいました。

どんな志を持ち、どんな思いで、その団体を立ち上げたか?そして、団体を背負ってきたか?<そこに立てる人間はほんの一握りですよね。そして長きにわたって背負い続ける事はほとんどの人間には不可能。
それをプロレス団体と言う特殊な世界で全うするのはリング上での闘い以上に超人のなせる業でしょうね。

背負うっていうのは、それ以上、それ以外が出来るかどうかってこと<重い一言ですな!!

鈴木は新日本にどうこう言う以上、ソレをしっかり証明しないと。新日本のリングで<フィニッシュを元に戻したという単純な話ではない様ですね。
本人と天山ら敗者のコメントを読むと、確実に変えてきてるようです。

私はアントニオ猪木が元祖ハイブリッドレスラーだと思っています<ハイブリッドの定義もいろいろありますが、馬場さんと比較してしまうととてつもない混血種ですよね。

先日の鈴木vsAJは良かったんじゃないですか~?私は面白かったです<宮ゲさんの様な方が観てAJの試合を面白く感じたというのなら、鈴木革命(勝手に名付けてますが)第一歩は成功でしょうね。
私も早く映像で観たい…って観る機会ありますかね。

ブログでシュートサインについても書いてましたよね?…いつか言ってやろうと思ってたんじゃないですか?<ここのところ、ゴッチさんの事も殊更に口にしていますよね。
自分の原点から見つめ直しての『覚醒』なんじゃないでしょうか。
きっかけは中村あゆみオールタイムベスト発売決定だと思います(当てずっぽう)。

桜庭が中邑にやった時はゾクゾクしました…ミック・フォーリーのやつは「馬鹿だな~(笑)」と<意味合いの違うピストルなんでしょうけど、命懸けという共通項もあるんですよね。
これを出す覚悟と、受け入れる度量って凄い世界ですよね。実際に試合がシュートになったかどうかは別として。

NOAHのタッグリーグ開幕戦でタイガーマスクが不穏試合をやった<宮ゲさん何でも知ってんなぁー!? 本当、その網羅ぶりは驚愕です。レスリングレーダーというか…。

私は今、大事な仕事が控えており、ホントは新日とか、NJPWとか言ってる場合じゃない状況です…(涙)<いや、本当に中学生みたいな接し方は不可能なんですよね。
せめて空き時間のブレイクにブログを覗いて下さるだけでも嬉しいですよ。

「ぶっちゃけ、G1の優勝者とか、そこまで興味ねー」って感じだったんですよ(苦笑)…だけど、コリャ、きちんと追って見てかないとダメですな(笑)<宮ゲさんもまたプロレスファンの鑑だな、と。

ビッグビジネス、良い結果が出ます様に!!

>ナリさん

猪木がビビってる・・・という見方は新鮮でした<新説でしたよね。でもプレイヤーとしたら、そういう見え方になるのかな?

一歩引いた目で見ると「ビビってもしょうがないよな」とは思ってしまいますね<事実、裏の部分では躁鬱気味というか…藤原の証言では精神的に極限状態だったそうですからね。

アリが負けた時点での本国での評価は「まぁ、そういう試合だったんだろ」…猪木はそうはいかないでしょうからね<この一戦の価値観がプロレス界とボクシング界では雲泥の差でしょうからね。
猪木は一生背負って行かなきゃならない訳で。高田にとってのヒクソン…またその100倍くらいの意味合いで。

下手したら馬場から「よりによって、一番弱い奴が出て行った」と言われかねないです(苦笑)<最近、当時の雑誌を読み返したんですけど、決戦前の各界の著名人へのインタビューで王、長嶋までもがコメントしてるのに、馬場さんは一切「答えられない」と。
リップサービスが一切ない人だったんだなぁ、とつくづく思いました。

一昔前なら「最強でなくてはいけないんだよ!!」とファンですらも怒りの声をあげるでしょうが、そういう時代でもなくなってきました<その表現がね…『避難訓練』ですもんね。
リング以外でも仕掛けられた時の対応策と、一般のお兄ちゃんが「俺でも勝てる」なんて勘違いさせないオーラも含まれますよね。
昨日の内藤戦後の鈴木のコメント読むとそう感じます。

闘魂注入に感謝

いろいろとお心遣い、本当に有り難うございます。
闘魂の炎を燃やしながら頑張ります!!

8月3日はゴッチさんの誕生日でしたからね。
鈴木みのるも、いろいろと考えることがあったんでしょう。

いや~、また『中学生みたいな接し方』してみたい(笑)
プロレスだけじゃなく、ビデオ録画したミポリンのお尻を何回も見たりね(笑)
ピンピコリンッ♪
あ、やべっ…

レガさんのお住まいの地域も、まだまだ暑い日が続くと思われますが、くれぐれもご自愛ください。

追伸
この時期のグローブはいろんな意味でヤバイから、AJとゲラゲラポー歌ってる人達も大変だろうなぁ~。

>宮ゲさん

闘魂の炎を燃やしながら頑張ります!!<闘魂は逆境ほど燃える!!…ですからね。

8月3日はゴッチさんの誕生日…鈴木みのるも、いろいろと考えることがあったんでしょう<コメントにしっかり入れてましたね。
あと、今日KAMINOGE読んでて思ったんですけど、天龍との対談も覚醒のきっかけだったんだろな、と。

プロレスだけじゃなく、ビデオ録画したミポリンのお尻を何回も見たりね(笑)<がはは。これ昭和あるあるですね。
私、高1のとき、『毎度…season1』が再放送されて、録画した友人から借りたんですよね。息を飲んで見ましたよ、はい。
で、私の順番までに10人くらい回ってたんですけどね…見事にそのシーンだけノイズだらけですよ(笑)。ヘビロテ過ぎて(笑)。

まだまだ暑い日が続くと思われますが、くれぐれもご自愛ください<今日は雨だったのですが、いやぁ暑いです。
明日は雨上がりで最高気温32度とか…。

この時期のグローブはいろんな意味でヤバイから、AJとゲラゲラポー歌ってる人達も大変だろうなぁ~<同じ意味で柔道部員たちも大変ですよぉ~。
特に腋臭の袈裟固めね!!
紫レガとは?

紫レガ 

Author:紫レガ 
45歳のプロレス話


長州、これは俺のブログだ。

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