中邑が語った猪木アリ

たかさんからコメント頂いた情報の、

『週刊プレイボーイ』誌上における、

中邑真輔の猪木アリ全ラウンド解説が、

公式サイトUpにされていました。
中邑が語る猪木アリ

参考資料は、もちろんこれです。
燃えろ! 新日本プロレス エクストラ 猪木VSアリ 伝説の異種格闘技戦 【初回入荷限定特典付】 [分冊百科]

私が想像した内容よりも端折った感じですが、

現役の新日のトップがこの一戦に触れる事自体が、

大変貴重だと思いますので、

本編が消える前にUpしておきます。
猪木引退特番での猪木アリ検証17

 週プレNEWS より
38年の時を超え話題沸騰、猪木vsアリ、伝説の一戦を中邑真輔(新日本プロレス)が熱く語った!

●1R~4R

中邑
「がんじがらめのルールにより攻撃を大幅に制限されていた猪木さんにとっては、これが最善の戦法だったんでしょう。スライディングしての蹴りならアリのパンチの射程に入らない。同時に、膝(ひざ)を正面から蹴る関節蹴りも出していますね。アリも舌を出したりして猪木さんを挑発してますけど、これは自分のキャラクターを守っているように思います。ボクシング世界王者の闘いを全世界が観ているわけですから、『猪木なんか余裕だぜ』というスタンスを保ってるんでしょう」


映像を観て私も印象に残ったのは、

いわゆるアリキックよりも関節蹴り。

しかも仰向けの状態から強烈に打ち抜いていますよね。

この序盤、アリは大声で何度も叫んでいるんですよね。

これ本当に余裕からなのか? キャラを貫いているのか?

答えはこうでしょう。

●5R

中邑
「アリはずっと左脚を蹴られてますが、左脚を前に出すオーソドックスの構えを変えませんね。脚が痛くても、いつもの構えのほうが安心というか…逆の構え、つまりサウスポーにスイッチするとバランスが変わり不安要素が増える。それより痛みに耐えるほうがマシなんでしょう。モハメド・アリはモハメド・アリでいなくちゃいけない。スイッチしないのはそれを表しているのだと思います」


どんなに足が痛くても、

膝にこれまで経験のないダメージが重ねられても、

アリはアリであるために、

いつものオーソドックススタイルを変えません。

それは“ベアナックルか、はたまた何オンスのグローブを装着するのか”という論議から、

結局4オンスとはいえグローブを着けて、

いつものトランクスにいつものシューズでリングに上がった、

いつもと同じ世界戦でのアリの姿そのものでした。

そして猪木もまた猪木で…ですが、

私自身書くときのネタがなくなっちゃうんで、この辺で次へ(笑)。

●6R

中邑
「ヒジは思わず出てしまったのか、故意に出したのかはわかりませんが、膝十字固めかアンクルホールドにいける体勢になったのに惜しかったですね。MMA(総合格闘技)が定着した現在の視点では、『アリもパウンドを打てばいいじゃん』って思うでしょうけど、普段やってないことだろうしバランスが崩れる。かつ、寝技に持ち込まれるリスクもありますからね」


スポコン!での猪木アリ検証40

猪木アリ@NHK-BS34

これも今の選手ならではというか、

中邑も立場上やんわり言ってますが、

「なぜ膝十字行かない?」「なぜパウンド行かない?」という。

背景を知らない若い選手やファンなら、

「ここで取れない猪木の技術は大した事ない」的な見解になるんでしょうね。

新日UWF提携時代に出たプロレスアルバムでも、

この場面を『膝十字のチャンスだった』と書いてましたね。

もっと深い部分にこの局面の意味があったとも思いますが。

●7R

中邑
「ようやくジャブが出ましたね。でも、攻撃するとディフェンスに隙ができるし、接近しすぎると寝技もある。アリはまさか猪木さんがこんな戦法でくるとは思ってなかったでしょうから、ローキックをカットするという発想もなかったんじゃないかと思いますね」


猪木もアリも、この前例のない試合において、

ルールだけではなく、闘い方自体も頭で考えながら実践する余裕はなく、

とにかく自分の持ってる技術を、

本能で出していくしかなかったのではないでしょうか。

●8R

中邑
「シューズに細工してないか? ということですかね。確かに、リングシューズで蹴られるほうが素足より痛い。ただ、シューズチェックはアリ側の時間稼ぎかもしれませんね。この段階では、もうアリに余裕は感じられません」


ここは私も同じ見解です。

あれはアリ陣営の時間稼ぎでしょう。

…それでも他に理由がある様な気もします。

●9R~10R

中邑
「アリのジャブが迫ってくるのは怖いはずですが、猪木さんのセコンドのカール・ゴッチにはまったく焦りがないですね。猪木さんはタックルも出しましたが、寝技の極(き)めは強かったらしいですけど、一気に距離を詰める飛び道具は弱かったから、倒すまでには至らなかったんでしょう」


実はゴッチさんの存在がこの試合の裏テーマでして、

レフェリーのラーベル氏が一番神経を使ったのが、

闘っている猪木でもアリでもなく、

実はゴッチだったという証言もあります。

●11R~12R

中邑
「こんな状態になっても、アリはまだオーソドックスの構えですね。猪木さんの蹴りはけっこう予備動作が大きいんですけど、蹴りの間合いがわからないからよけられないのか、もうフットワークが使えなくなっているのか…」


実際に序盤戦ではほとんどの蹴りをかわしていましたから、

この段階でかわせないのはダメージ以外にないでしょうね。
スポコン!での猪木アリ検証50

さらに13ラウンドのあの場面。
スポコン!での猪木アリ検証52

●13R

中邑
「猪木さんは、アマレス特有の低いタックルをまだ身につけてなかったんでしょうね。アリにも隙があるから密着するチャンスはあるんですけど。でも、もうアリは痛みがキツいんでしょう。手で左脚をガードしちゃってます」


これについても中邑世代の見解なのですが、

猪木の低いタックルというのはまた独特でして、

自身も言う様に「アマレス流ではない」と(参照:アントニオ猪木とタックル技術)。

ただし一貫しているのは、

下半身へのタックルだけがレスラーのテイクダウン技術にあらず、という部分です。

レスリング出身者にしてみれば「タックルも出来ないで…」という見解もあるでしょうけど、

昭和のプロレスラーには今じゃ考えられないバックボーンも存在しましたからね。

最後、総括です。

●14R~15R

中邑
「アリは最後まで攻撃できなかったですね。そもそも、自分のスタイルを変えるつもりはなく、立って闘うもんだと思ってたんでしょう。でも、フタを開けたら猪木さんは何をしてくるかわからない。おかげでずっと警戒しっぱなし。だからこそ、この緊張感が生まれたんでしょう。
今思えば、この試合はアントニオ猪木の“壮大な売名行為”と言えますよ。アリはそれに巻き込まれた感じですけど、ボクシング世界王者として猪木さんの挑戦から逃げず“モハメド・アリらしさ”を守り通した。異種格闘技戦という“非日常”に飛び込んだわけで、アリ自身、それを味わえた爽快感はあったと思います。
この一戦は、当時の背景やふたりの立場を踏まえて見るのが肝(きも)ですね。きっかけとなったアリの発言、猪木さんの挑戦状、契約調印までの過程、度重なるルール変更などを加味すると、単純なスポーツマンシップだけの闘いではないことがまざまざと感じられる。そういった背景も含めて、今観ても、たぎらせてくれるね!!」


さすがにわかってますよね。

「当時の背景やふたりの立場を踏まえて見るのが肝」…その通りです。

だからこのDVDを手にした方は、

同時に当時の流行や世相を知るのも、

この試合を楽しむコツかも知れませんね。

この企画、中邑以外の選手ならしっくり来なかったかも知れませんね。

いやむしろオカダとか棚橋の方が面白いのかな?



それにしても“壮大な売名行為”ですか…。

中邑にもそういった意味で『馬鹿になって欲しい』です。

今の中邑はクレバーすぎる。
スポコン!での猪木アリ検証58

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tag : アントニオ猪木 モハメド・アリ 格闘技世界一決定戦 中邑真輔

comment

Secret

No title

「当時の背景やふたりの立場を踏まえて見るのが肝」…


この手の話になると私はコメントで毎回のように書いてますが、当時の考えでしかないものですからね・・・。
20年くらい前の電話ボックスに並んでる人々を見て、
「携帯かければいいじゃない、バカなの?」
と言ってるくらいとんちんかんな話だったりします。

アリ側も猪木を封じるルールをたくさん要求しましたが、おそらくですがそこにスキが生まれたのかも知れません。
何もやってこれないだろう、あとはタコ殴りだ。
と、思ってたらスライディングしながら蹴ってきた!
ってなもんで。
そして、このルールでやるのもどちらも”初めて”(アリはアメリカで来日前にレスラー相手にエキシビションマッチをやったそうですが、ルールは多少違ったと思われます)

ならば勝手もわかりませんし、その上でどちらも”負けてはならない”のですから慣れないことなど出来るはずもない。


しかし、棚橋やオカダの意見も聞いてみたいですね。


DVDの中の組長カッコよすぎ

まずね!
私が言いたいこと!
さや姉のパイオツがたまりません!

…え~、本題に入ります。
私もこの週プレ買っちゃいました。
普段、買わないんですけどね。私はそんなにエッチじゃないんで。

中邑のタックルの見解はレスリング(アマレス)的、そしてMMA的ですよね。
キャッチレスリング的に見たらこうだと思います。
『足を取ってタックル』
それは、相手をテイクダウンするための一つの手段でしかないです。
“下半身へのタックルだけがレスラーのテイクダウン技術にあらず”
さすがはレガさん。

当時の新日(道場)では足関の技術ってどうだったんでしょう?
ヒールはあったっぽいですけど。
多分、膝十字って80年代に入ってからでは?
アキレスは、どこら辺りで入ってきたんでしょうね。
80年代後半、猪木が組長に公開レクチャーしてる場面は見たことありますが(笑)
70年代にアンクルがあったのかが、特に疑問。

私もこの試合について、書かせていただきたいことが沢山あります。
ですが、レガさん同様やめときます(笑)

>ナリさん

20年くらい前の電話ボックスに並んでる人々を見て、「携帯かければいいじゃない、バカなの?」<そうそう、そういう事なんですよ。
さんざん出来上がった今になって、まだ未開の地を切り拓く人に対して「時代遅れ」っていう無茶な話なんですよね。

何もやってこれないだろう、あとはタコ殴りだ。と、思ってたらスライディングしながら蹴ってきた!<初っ端からゲームプランが狂ってしまったという象徴でしょうね。
ただそこからフルラウンドまで持ち込んだのはやっぱり凄い事ですよね。

アリはアメリカで来日前にレスラー相手にエキシビションマッチをやったそうですが<全く違う形式だったのでしょうね。その関係から猪木戦直前の「いつリハーサルをやるんだ?」につながって来るのでしょう。

棚橋やオカダの意見も聞いてみたい<棚橋は純粋に「面白い」って言いそうな気もしますし、オカダは途中で退席しちゃうとか…ちょっとこの企画面白いでしょ?

やっぱり、凄いなぁ。

こんばんは。

さすがに、プロレスアルバム押さえてましたね。
私も持ってましたよ。闘魂ライブの少し前に出たんだっかな。
あれ読んでプロレスは最強の格闘技思想が刷り込まれました。
あれには、アリ戦はアキレス腱固めを決めに行くと書いてあったような気がしましたけど。

この書籍、思い切り、後付けで確かアリとウィリーを取り上げて、この局面では、この間接技いけるのに何故いかねぇんだみたいなページが、あったような気がしましたけど。

それとは別に、スタンドでの左足での間接蹴りは、骨法に、こんな技、あったよなぁと思いながら見てました。骨法なんて、まるで世に出てない時代だと思うんですけど、これも本能なんですかね。

あと、グローブはサブレフェリーみたいなのとゴッチがチェックしていたので私はシロだと思います。

>宮戸ゲノムさん

さや姉のパイオツがたまりません!<まあまあ、落ち着いて下さい。

中邑のタックルの見解はレスリング(アマレス)的、そしてMMA的<極論してしまえば、猪木には足取りタックルは必要なかったと思います。
事実ゴッチさんもあの試合については「私なら腕を取る」と。

『足を取ってタックル』それは、相手をテイクダウンするための一つの手段でしかないです<そうですね。むしろさすが宮戸ゲノムさんです。
かと言ってタックルを軽視する訳じゃないですし、絶対に持っていた方がいい技術に決まってるんですけどね。

ヒールはあったっぽいですけど。多分、膝十字って80年代に入ってからでは?アキレスは、どこら辺りで入ってきたんでしょうね…70年代にアンクルがあったのかが、特に疑問<この辺は私の知識に限った話なのですが、ヒールはご存知イワン・ゴメスからですよね。
アンクルは船木曰くヨーロッパ修行時代で、この技術についてはゴッチさんもあまり好んでいませんでした。
アキレスも70年代に藤波がよく出してますから、すでに道場で使われていたんでしょうね。
一つ疑問なのは膝十字ですね。旧UWF時代に前田や佐山がサンボの教本で知った技術だったと記憶していますが、どうでしょう?

私もこの試合について、書かせていただきたいことが沢山あります<記事を仕上げた暁には…宜しくお願い致します!!

>aliveさん

こんばんわ。

私も持ってましたよ。闘魂ライブの少し前に出たんだっかな<そうです。さすがaliveさん。結構持ってた書籍被りますね。
あの本の70年代年表はクオリティ高かったですよね。全く同じ内容で闘魂LIVE1のパンフに載っていましたが。
ただ惜しむらくは、一人暮らしを始めてから引っ越しの繰り返しでいつの間にか手放してしまったんですよ…。

アリ戦はアキレス腱固めを決めに行くと書いてあったような気がしましたけど<アキレスはウィリーじゃなかったかな? あと三角も。
UWFが出来た後だけに関節技を観る目が急速に肥えてきた時期ですよね。

スタンドでの左足での間接蹴りは、骨法に、こんな技、あったよなぁ<サイドキック気味の蹴りですね。あれも本能なんでしょうね。

グローブはサブレフェリーみたいなのとゴッチがチェックしていたので私はシロだと思います<今から18年前の6月26日に出たゴングのムック知ってらっしゃいます?
あれでは小鉄さんもセメント疑惑を匂わしてるんですよね。
ただしグローブを2オンスって言ってたりしますので、多少アレなんですけど。

No title

さや姉のパイオツに触れても良かったのでしょうか?
普段以上にコメントが長くなりますが・・・(当方、松井珠理奈&乃木坂ヲタですが)


全くの予想外の攻撃を仕掛けてこられたものの、意地と気力と根性、そして格闘センスで最後までやり抜いたのはすごいことだと思います。
はっきり言えば、高田vsバービックのようになってもおかしくはなかったわけですからね。

テイクダウンについては、ジョシュ・バーネットのようにタックルがほぼ出来ないに等しいファイターがいますが、打撃の名手にもしっかり組みに入って倒しに行きます。
近年のMMAでは低い片足タックルがもっとも重要なテイクダウン方法ですが、初期MMA(というかVT)では、打撃を使わせる前に距離をつめて組み付くという形の胴タックルが主流でした。
何なら、「低いタックルは潰される、かぶられる、避けられるから実戦には向かない」「片足タックルはがぶられる、相手の手がガラ空きになるので打撃を受けやすいから実戦には向かない」と言われていました。
ハイキックやミドルキックも「足を掴まれる」と言われて敬遠されてました(高田vsヒクソンの頃ですら「ハイキックを決める」といった高田に嘲笑が送られていましたが)
ましてや、誰も経験したことのない試合形式ですから『合理的な闘い方』は後からしか言えないものです。

まぁ、この試合と力道山vs木村については言いたいことは山ほどありますがレガさんに任せます(笑)

さや姉とゆきりんのパイオツについてはわt(強制終了)

>ナリさん

さや姉のパイオツに触れても良かったのでしょうか?<遠慮する事ぁねえや、コメント欄は闘いなんだから。

はっきり言えば、高田vsバービックのようになってもおかしくはなかったわけですから<エルボーの時点でそうなっても不思議じゃなかったでしょうね。
それでも抗議しながら最後まで闘ったアリと陣営は凄いです。ピストルの存在も含めて。

ジョシュ・バーネットのようにタックルがほぼ出来ないに等しいファイターがいますが、打撃の名手にもしっかり組みに入って倒しに行きます<ジョシュのタックルは確かに印象にないですね。
彼も入りがUWFへの憧憬からですから、それほどレスリングを重視していなかったのかも知れませんね。

「低いタックルは潰される、かぶられる、避けられるから実戦には向かない」「片足タックルはがぶられる、相手の手がガラ空きになるので打撃を受けやすいから実戦には向かない」…ハイキックやミドルキックも「足を掴まれる」と言われて敬遠されてました<しばらくの間、MMAにおいては「あれやっちゃダメ」「これやっちゃ命とり」みたいな風潮がありましたよね。
結局、競技として定着してセオリーが出来上がって来ると今度は奇襲が重要になって来るんでしょうけどね。

この試合と力道山vs木村については言いたいことは山ほどあります<日本のプロレス史において大きな分岐点となった二つの決闘ですよね。
いずれどちらも記事に書ける様に頑張って行きたいです。

さや姉とゆきりんのパイオツについてはわt(強制終了)<引け引け今日は!! 明日行けよ明日、あー!?
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