背中合わせの二人~前編~

恒例のKAMINOGE引用記事行きます!!

先月発売のvol.29(参照:プロレスの黒帯)において、

前田日明のUWF30周年総括が完結致しました。
前田氏@KAMINOGE29の1

前号で高田との再会の可能性を全否定した前田氏(参照:前田氏が語った、和田さんも語った、キムケンは歌唱批評)。

だが、そこで終わらないのがKAMINOGEです。

高田延彦との愛憎劇を、

もうこれ以上は語りたくないはずの前田氏ですが、

井上小鉄編集長はグイグイと突っ込んでいきます。

KAMINOGE vol.29
 KAMINOGE vol.29 より

― 前号に掲載した内容で、特に注目されたのがT氏についての話、それと高田(延彦)さんとの再会の可能性について、前田さんが「自分の人生で必要ないことだと思う」とおっしゃったことです。ただ、ファンにしてみたら、お二人がいまのような絶縁状態に陥った流れが、わかっているようでわかっていないと思うんです。そこを説明していただけたりはできますか?

前田「いやーもう、なんて言うかね…。俺がいろいろ骨折ってやったことを、アイツはそれが当たり前になってきた。そのうちに『なんでおまえやってくれないんだ。おまえの立場だったらそれが当たり前だろ?』ってニュアンスになってきたんだよね」

― それはUWFの頃からですか?

前田「Uの頃から。俺は『この感じは嫌だな』ってずっと思ってた。ただ、俺もいつまでも選手でいるつもりもなかったし、引退をしてフロント側に回って、のちのリングスでやったような世界にネットワークを広げていくような運動体へとUを導いていこうという頭だったんだよね。その実現のために、俺は選手たちのわがままにもちょっとこらえてたんだけどさ。トドメはね、こないだも言った俺の自宅でUの解散宣言をやったあとのアイツらの動きをのちのち知ったら、もうダメだったね」

― 前田さんの主張だと、Uの解散は高田さんのクーデターであったという。

前田「そうだよ。俺はひとりで、寝ずに、自分のカネを遣ってみんなに給料入れながら走り回ってるときにだよ。いつも貯金通帳の残高とにらめっこでさ、『ヤバいな、ヤバいな』ってときに、高田が俺に何を言ったか知ってる? 『自分にはそういう力がないんで、自分は道場をまとめときますから、安心してやってください』って」

― それは…つまり「引き続き専念してくれ」ということですか。

前田「凄いでしょ? で、『安心してやってください』って言ってる間に、すでにUインターができあがってた」


「自分は道場をまとめときますから、安心してやってください」

これ実に高田らしいセリフですよ。

しかしそれって都合良く前田氏に責任負わせてるんじゃなく、

外で前田氏が奔走してる間にも、

若い衆がバラバラにならない様にします、と。

実際に当時の若手は「前田さん、藤原さんは道場に来ない」と、

不信感に近い感情を持っていた訳ですし。
獏さんvs前高山

そもそも前田氏と高田の関係、

これ…立場的なアレが大きいと思うんですよね。

出会った当初は文字通り兄と弟。

それがUWFという団体の中で、

二人の距離はそのままであっても、

二人より下の人間がたくさん出来てしまった。

そうすると自然と立場は変わって来る訳です。
前田高田、チャンコ中の談笑

前田「のちにUインター初期のスタッフをやっていた人間が言ってたんだよ。『いつ頃から動き出したの?』って聞いたら、時系列がもう全然合わないんだよね(笑)。俺はもう、いろんな人から当時のことを聞き取りしたからね。Uインターは、UWFを解散する前から動き出してた。ということは、高田のクーデターしかあり得ないんだよ。で、それをやって破滅するのは誰かっていうと、俺しかいない。『俺がおまえにいったい何をしたんだ?』って」

― そのクーデターを起こされる理由が見当たらないと。

前田「これはしょうもない話なんだけど、高田の親父さんはウチの父親と違って、役所勤めの真面目な人だったんだよね。母親のいない家庭で、男手で家の炊事、洗濯、全部やってて。で、高田が新日本に入門してきたとき、俺が寮長だったんだけど、ある日、その親父さんが寮にやってきて、『ノブをよろしくお願いします』とかって言ってきたんだよ。そう言われて、俺も『わかりました』って答えてさ、アイツの面倒を見たつもりなんだけど、でもなんかそれが当たり前になったんだよね。面倒を見てもらうのが当たり前みたいな感じでね、『なんでもっとやんないんだ?』みたいな。で、そうやって勘違いしてるなと思ってたけど、飲みに行ったら『一生ついて行きます』みたいなさ(笑)。『前田さんのためだったら、いつでも命懸けてがんばります』とかそんなことを言うじゃない。そう言われたら俺も感動するじゃん。『そんなこと言ってくれるの?』みたいなさあ。(略)だけど、しばらく経ったらまた『足んないじゃん』みたいな感じでまたカチンときてさ。で、カチンとくるんだけど、『飲みに行きましょ』みたいになって、また『一生ついて行きます』って言うし」


義理堅い前田氏にしてみれば、

「真面目な親父さんから頼まれた以上、ちゃんと面倒見る」と。

一方、高田の「一生ついて行きます」「前田さんのためだったら」も決して偽りではなく、

猪木に仕えてた時代も、

のちの前田氏に対しても、

その忠誠心には嘘はありません。
視線をそらさない前田

ただ一つ、「クーデター」という部分は、

前田氏が聞き込みをした人物の中から、

自身の中で出した答えですから。

これまで他のU戦士の誰もそういう言葉は使っていませんしね。

― 前田さんとしては、いわゆる「型にハメられてる」という状況ですかね。

前田「そう。完全にハメられてる」

― それで将来的に1パーセントの可能性で会うことになったら、また型にハメられる自信があると。

前田「ある。だから、もう疲れるから嫌なんだよ」


型にハメる、ハメられる…というのは性格的なもので、

前田氏は良くも悪くも純真で、

実際に高田は人を食う様な面もあります。

これ長年の高田ファンなら知ってる事でしょう(笑)。

― しかし、新日本の若手時代から、実の兄弟のような関係に見えた2人だったわけですけど。

前田「俺は兄貴のように公私両面なんでも与え、できることはなんでも叶え、守った。それだけだよ」

― 前田さんにしてみたら、あのときの合宿所の仲間全員が家族であり、なかでも特に高田さんは、という。

前田「『なかでも特に』っていうか、UWFの仲間の関係っていうのはどういうことかって言うとね、俺にとっての『対・坂口征二対策』だったんだよ。巡業中、試合前に俺と藤原(喜明)さんがリングで毎日スパーリングやってるじゃん。そしたら坂口征二が『おまえら、邪魔だから向こうに行け』とかって俺らを邪険にするんだよ。でも(アントニオ)猪木さんとか山本(小鉄)さんなんかは、そんな俺らの練習してる姿をニコニコして見てたんだけどね。で、しょうがないから、リングを降りて体育館の片隅の板の間とかで2人で組んずほぐれつやったりしてさ。藤原さんと俺は、試合開始が6時半なのに、6時29分までやってたからね」

― 新日本の会場で、その光景をボクは少年時代に観てました。

前田「『いつまでやってんだよ!』みたいな(笑)。だから戦略として『数の勝負でやろう。これはこっちの数を増やすしかないぞ』ってことになって。あとから入ってきた連中に『おもしろいよ。一緒にやろうよ』って声かけてさ」

「おもしろいよ」って、テニスサークルの勧誘のノリで(笑)。

前田「そこで引き込んだ連中がのちに集まりUWFになった。(略)藤原さんはハチベエ(※現・獣神サンダーライガー)を可愛がってて、藤原さんが新日本からユニバーサル(第1次UWF)に行くときに、合宿所のテーブルでそれとなく『ここは上野毛(新日本)で、ここは赤坂(ユニバーサル)だけど…そうだな、あるひとりが赤坂に行くな。そうだよな、赤坂いいもんな。誰が来たいの?』とかってやってたんだけど、まあハチベエは見事に来なかったんだよね(笑)。それで藤原さんは凄い落ち込んでたんだよ。でも、そのときに高田が手を挙げたんだよね。そのことに藤原さんは大喜びしてさ、『こいつは可愛い、俺の子どもみたいなもんだ』って言ってたよ」


藤原、高田UWF移籍会見

出ましたね…坂口征二対策。

坂口を嫌うレスラーの中でも、

前田氏とカーンは双璧です。

それと試合前のスパーリングの話ですが、

前田氏の新日在籍中はライガーはともかく、

船木誠勝はスパーの輪にすら入れなかったはずじゃなかったかな、と。

だって船木が新生Uに入った頃は、

まだ、下の名前すら読めない程の関係でしたから。

それでもUWF崩壊後何年も経過して、

前田氏が最も信頼を寄せる後輩は、

船木その人です。
船木の掌打

前田「例えば船木って作為がない人間じゃないですか? 見たことを見たままに言う。『あのとき自分はこうだったから』みたいな自分の都合のいいように言わない。だから、船木のそういう正直なとこは信用してるんだよ。で、その船木の目に第2次UWFはどう見えたかっていうのを聞くとね、いろんなことが目に見えるようにわかるんだよね。『ああ、そうだったんだ』って。で、高田は良くも悪くも要領がいいんだよ。要領がいいのはべつにいいんだけど、ちょっと見ててガッカリするんだよね。まあ家族だと思ってたのは事実だから、『あれこれしてやったのに』って言うつもりはないんだけど、ここでは言えないあらゆるプライベートのことでアイツが困ってたときに力になってやったり、いろいろしてやったんだけどね。ちょっとガックリくるよね」

― でも、それは家族だと思ってたからこそ強烈にガックリくるわけですよね。

前田「そうそうそう」


兄として前田氏は、

事あるごとに弟・高田をヘルプしてきました。

高田はそれを当たり前として受け止めていたのでしょうか?
「勝った…」

続きは中編で。

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tag : 前田日明 高田延彦

comment

Secret

No title

なるほど。
いよいよ わかってきました。
歌にしたら これだ!!

単純明快な   長男 長男
もっとちょうだい 次男 次男
それを見ている 三男 三男
UWF三兄弟 ジャンジャン

No title

なんというか・・・

どっちにも言い分があり、それぞれの正義があって。
Uが別れる前の状態から言えば
高田にすれば、「こっちは若手を道場でちゃんと見てたじゃないですか」だし、
前田にすれば、「こっちの金策の苦労を道場で若手に伝えたか?」になります。

お母さんと、お父さんの関係に似てますかね?(笑)

お母さんからすれば「あなたが家にいない間、子供らの事は私がやってるの!子供が私になつくのは当たり前でしょ!」となり、
お父さんからすると「俺が家にいない間に俺の悪口でも言ってるのか?長男の反抗的な態度を見てるとそうとしか思えない!」となり・・・


しかし、どっちにしろ坂口征二に関しては本当にいい話を聞きませんね。
さらに言うと実力に関しても「坂口は強かった」というのもあまり聞かないのが不思議です。

馬場・猪木、鶴田・天龍、藤波・長州、デルフィン・サスケ、マグナム・CIMA、大仁田・後藤、船木・鈴木、三沢・川田、ヒットマン・ショーン、ホーガン・マッチョマン…。

色んな長男と次男がおりますが、スムーズに行ってるトコほとんどありませんな。

いろいろ勉強になる団体です

はじめまして。

興味深く拝見しました。


新生Uについては、いまだに興味が尽きませんが、
高田の「泣き虫」には、Uインター設立はあくまで解散以降に動き出した事だと書いてありますよね。

一方で、会社登記や事務所確保が、ほんの1ヶ月弱でできるかといえば「?」ですね。

会社登記の流れは基本的に、


1.必要書類や手続きを調べる(つまり事前の勉強)

2.会社の基本的な事項を決める(商号や事業目的、その他諸々の会社の基本となる事項)

3.個人事業主ご本人や役員に就任予定の方の印鑑証明書を入手する

4.以上をもとに、設立登記に必要な書類を作成する

5.管轄する法務局と公証役場に事前に書類を持ち込み、書類に不備がないか否かアドバイスをもらう

6.アドバイスをもとに提出書類を修正する

7.公証役場で定款の認証手続きを受ける。

8.法務局で設立登記の申請書を提出する。

9.設立登記の申請書類に不備がなければ、会社設立


だそうで、役所等に出向いての手続き自体は、半日もあれば終わるそうです。

「泣き虫」での話はもちろん高田(側)の主張ですから、そのまま受け取るわけにはいきませんが、
前田主導(というより独裁)の下に、Uが拡大していくことへの危機感はあったんでしょうね。

前田の下から、早く解き放たれたいという思いが、
前田を出し抜いてまで、新団体設立に走らせたのかもしれません。

>ケロさん

歌にしたら これだ!!…UWF三兄弟 ジャンジャン<相変わらずうまいですな。

いや補足すると、単純明快でありながら実は複雑なのが長男で、
欲しがるだけじゃなく誰よりも練習してたのが次男で、

三男はイライラしながら見てたんですよね。

>ナリさん

高田にすれば、「こっちは若手を道場でちゃんと見てたじゃないですか」だし、前田にすれば、「こっちの金策の苦労を道場で若手に伝えたか?」になります<実際のところ、前田氏の金策の苦労は若い選手に伝わっていなかったんですよね。ただ単に「前田さんは道場に来ないで何やってんだ」みたいな…。
一方の高田も道場にいただけではなく、他の努力もしていたはずなんですよね。
それをクーデターと捉えられているならば、この行き違いもかなりややこしいものがあります。

どっちにしろ坂口征二に関しては本当にいい話を聞きませんね<弱い訳がないはずなんですけどね。
三銃士から下の世代は絶大な信頼を寄せているのですが。

>BKっち

色んな長男と次男がおりますが、スムーズに行ってるトコほとんどありませんな<古今東西、様々な団体において両雄並び立たずですよね。
ですから今の新日ってオカダがオーバーした事で危険な感じはなくなりましたよね。
それが良いか悪いかは別として。

>じゅんおさん

初めまして。
コメントありがとうございます。

「泣き虫」には、Uインター設立はあくまで解散以降に動き出した事だと書いてありますよね<各メディアには公然と解散以降が書かれています。

会社登記の流れ<詳しくありがとうございます。

前田の下から、早く解き放たれたいという思いが…新団体設立に走らせたのかも<次の記事に書きますが、そこが本当に兄弟というか…大したことじゃあない様な気がします。
紫レガとは?

紫レガ 

Author:紫レガ 
44歳のプロレス話


待て待て待て待て!! 読め!! 俺の記事をこの野郎!! 待て貴様ぁ!!

どーですかぁーーーー!!

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