寒中レスリング(1993)

若き日の田村潔司は、

グラップリング技術を高める目的で、

打撃を封印していた時代があります。

レガースを外してリングに上がり続けた1年半。

その締め括りとなったのが、

1993年12.5 神宮球場

田村潔司vsデニス・カズラスキー

田村潔司vsデニス・カズラスキー

高田VSベイダーのプロレスリング世界ヘビー級選手権試合(参照:真冬の奇跡~前編~~後編~)が行われた、

歴史的大会の第8試合でした。

五輪メダリストのデニス・カズラスキー(参照:Uインター異人史 vol.5)を相手にレスリングで渡り合い、

まさに集大成的な内容となりました。

先にタックルを仕掛けたのは田村の方です。
田村からタックルを仕掛ける

切られても積極的に再トライ、

懐深く入って行き、
深く入るが、

バックを取ったと思いきや、
デニスが巻き込んで、

巻き込んで上になったのはデニスの方。
切り返す

さすがメダリストの捌きです。

ただし寝てからは田村の土俵。

足首を極めに行きますが、
そのまま足首を極めに行くデニス

すんなり脱出して素早く立ち上がります。
田村は脱出して素早く立ち上がる

デニスもすぐにテイクダウンを奪って、
片足タックルから軸足を刈っていくデニス

バックに回ると、
バックを取ってから、

自分の持ち場であるレスリング技術を出してきます。

股裂きです。
股裂きに行くデニス

田村は肩固めでの返しから、
肩固めも、

袈裟固めに移行しますが、
袈裟固めも極め切れない

どちらもデニスの上半身の力で極め切れません。

デニスはバックに回ると、

クラッチを結ぶや否や引っこ抜いて、
強靭な背筋力で引っこ抜いて、

ジャーマンでスープレックスポイント奪取。
ジャーマン炸裂

さらに首投げから、
首投げから、

そのままフルパワーの肩固め。
強烈な肩固めを、

何とか脱出した田村ですが、
脱出した田村だが、

今度はレッグロックです。
今度は足首固め

ただデニスのサブミッションは、かいな力に任せたもので、

田村は隙を見て逃れます。

スタンドからスープレックス狙いのがぶりも、
デニスのがぶりは、

巧みにかわしていきます。
切っていく田村

さらに片足タックルも捻ってかわし、
片足タックルも切って、

逆に片足タックルからテイクダウン。
逆にタックルでテイクダウンから、

そのままバックに回ります。
バックに回って、

これ普通に攻防として見ていますけど、

繰り返しますが相手は五輪のメダリストですからね。

田村はまだ20代前半ですよ。

しかし上のポジションは取れるのですが、
上になるがコントロールは難しい、

さすがに袈裟固めなんかは極まりません。
袈裟固めも極め切れず

ここら辺りレスリングの妙味というか、

同じ寝技でもサブミッションになれば田村、

固めていく技術ではデニスなんですよね。

これだからプロレスリングは面白い。

機を見て腕十字に行くデニスですが、
デニス腕十字の仕掛け

ここも極め切れずスタンドへ。

高速でいてハイブリッジのベリートゥベリーで、

再びスープレックスポイントゲット。
ベリートゥベリーから、

そのまま袈裟固めからストレートアームバーを狙いますが、
ストレートアームバー狙いは不発

ここも隙を見て田村がバックに。
田村がバックに回るが攻めきれず

しかし体幹の強いデニスはそのまま立って、

前蹴りからの、
前蹴りから、

サイドスープレックス!!
高々とサイドスープレックス

強烈に叩き付けてから、

V1アームロック、
V1アームロックから、

さらにアキレス腱固めを繰り出します。
アキレス腱固め

ここは田村が余裕を持ってアンクルホールドに切り返し、

初めてのエスケープポイント奪取。
田村がアンクルで極め返してエスケープ奪取

スタンドからデニスのタックルは完璧、
メダリストのタックル

それでも寝れば田村のアンクルに再度エスケープ。
もう一度、田村のアンクルホールド

「ならばスープレックスしかない!」とばかり、

サイドを取りますが、
再びサイドスープレックス狙いは、

これは田村が投げ勝ってしまいます。
田村が返していく

タイミングの取り方…凄くないですか?

「ワークだろ?」とか、そういう低い次元の話じゃなしに。

田村はバックを取りますが、

ここでもデニスは固められながら起き上がります。
バックに回るがデニスは起き上がって、

そして田村の右足を脇に抱えたまま、

袈裟固めで絞り上げます。
強烈な袈裟固め

そこからピローアームロックに移行しますが、
ピローアームロックから、

やはりこうなると田村は脱出。

デニスは再びぶっこ抜いてのジャーマンへ。
ぶっこ抜いてのジャーマン

田村はしっかり受け身を取り、

デニスが首投げに来た瞬間、
首投げに来たところを、

テーズ直伝(?)のバックドロップ!!
田村はカウンターでバックドロップ

それでもデニスの闘志は萎えません、

アキレス腱固めです。
デニスがアキレス腱固め、

田村が切り返して膝固めに入りかけると、

デニスは即エスケープし、
田村が膝固めに行くと即エスケープ

タックルからやや強引な逆片エビ固めに行きますが、

今度は田村もすぐにエスケープ。
やや強引なハーフボストンクラブ

最後は田村がタックルでテイクダウンを奪い、
田村が低いタックルから、

足の取り合いから、

エグイ角度で決まったアンクルホールドにデニスがタップアウト。
最後はアンクルで勝利

打撃の全く出ない攻防ながら、

一進一退のハイレベルなレスリング勝負。

しかし寒空の下でメインを待つ場内からは、

いくつもの野次が…。

ゴングが鳴ると田村は足早にリングをあとにします。
勝者の余韻もなく帰る田村

超満員の観客の心を掴めない虚しさ、

それとは裏腹に五輪メダリストとレスリングで渡り合った充実感。

田村はその二つを胸に、

次戦からキックを解禁しました(参照:未来への扉~前編~~後編~)。

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tag : 田村潔司 デニス・カズラスキー

comment

Secret

今もまったく色褪せない、イイ試合だったと思います!

>秋田猫さん

今もまったく色褪せない、イイ試合だった<こういう記憶の片隅から消えつつある試合を、なるべく掘り返すのが私の役割だと思っています。
今後ともよろしくお願い致します。

No title

PRIDEブーム以降は、レスリング&金メダリストといえば、低次元な人が
「そんなのにプロレスラーが勝てるわけがない、ましてや投げられるなんてwww」
と言いたがる傾向がありますが・・・。


実際、レスリングやってた側からすれば田村がレスリングの公式戦でデニスを投げるなんてことは有り得ない話ですが、こういう試合形式ですからね。
Kー1に上がったプロボクサーが「キックボクサーのパンチは当たらない」と言いながらも、蹴りが入るだけで素人のようにキックボクサーのパンチを喰らってしまうのと同じといいますか。
で、もっといえばレスリングの試合ならばサイドスープレックスで投げられたら、フォールや高失点になりますが、プロレスリングの試合ですからね。
下手に踏ん張ったりして、膝が飛んできたり、死角から掌底を喰らったり・・・いろいろあるんだけど、
「投げられるわけ無いwww」
と思ってる人は、どう感じてるのかなぁなんて。


後にUFC時代が来て、ドンフライやマークコールマンが王座になると最強スキル扱いされるレスリングですが、この時代の評価は
「極め技がない、組んで倒すだけ。他の競技と試合しても勝てない」
という扱われ方で、実際元レスリング王者が異種格闘技戦のようなもので勝ったという話はあまり聞きませんでした。
フライや、コールマンも、レスリング+ボクシング+頭突きというスタイルで
「タックルされても取らせない、ボクシングスキルでスタンドを主導。タックルで上になったらひたすら頭突き」
というコンボでしたから、正直純粋にレスリングとはいえないものです(ボクシングスキルのない谷津がグッドリッジ戦で片腕を常に前に出してましたが、あれがパンチを喰らわない距離を保つ精一杯の努力です)


しかし、カズラスキー。
本国では、プロレスをしなかったのでしょうか?

>ナリさん

「そんなのにプロレスラーが勝てるわけがない、ましてや投げられるなんてwww」
と言いたがる傾向<とにかく総合格闘技が出てきてからは、バックボーンばかりが重要視され、アマチュアの実績イコール強さの基準みたいな感じになってしまいましたよね。

レスリングやってた側からすれば田村がレスリングの公式戦でデニスを投げるなんてことは有り得ない話ですが、こういう試合形式ですからね<打撃があるかないかだけで闘い方はガラッと変わるでしょうし、グラウンドにおいてもパウンドの有無で勝敗は全く異なってきますからね。そこを忘れているファンが多すぎます。

UFC時代が来て、ドンフライやマークコールマンが王座になると最強スキル扱いされるレスリング<レスリングの時代があって、立ち技の時代があって…結局最強というのは個々の力という事に気付くまでやや時間がかかりました。

カズラスキー。本国では、プロレスをしなかったのでしょうか?<どうなんでしょう?
レッドブル軍団までWCWで試合しましたからね。
試合をした情報はありませんね。

おおう

大仁田セブンからの、急展開(笑)。この振り幅の大きさこそレガさんの真骨頂ですね。

田村のUインターの試合はほぼ押さえているんですが、4試合だけ持ってなくて、そのうちの1つこのカズラスキー戦は幻の試合でした。次回ぜひトレードお願いします‼

レスリング技術とコンディショニングでお金を取れる試合。
確かに歴史に埋もれてしまうのはもったいないですね。今後も発掘作業に期待しております。

>スパさん

この振り幅の大きさこそレガさんの真骨頂<ありがとうございます(笑)。
スパさんのおかげで、たくさんの記事がUp出来ましたよ。

4試合だけ持ってなくて、そのうちの1つこのカズラスキー戦は幻の試合<こちらこそ、また宜しくお願い致します。
ただ、PCを換えてからmixiのパスワードを失念してしまい…しばらく覗けていません(汗)。

レスリング技術とコンディショニングでお金を取れる試合<今回、改めて田村って天才だったんだなぁと再認識しました。ほぼレスリングだけで互角に渡り合ってるんですから。

今後も発掘作業に期待しております<出来る限りはやっていきたいと思います。
スパさんも大仁田セブン同様、いろいろ教えて下さい。
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Author:紫レガ 
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長州、これは俺のブログだ。

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