前田氏が語った、和田さんも語った、キムケンは歌唱批評

そろそろ記事にしても宜しいでしょうか。

『KAMINOGE』先月号(vol.28)も内容充実の一冊でした。

よく見ると表紙の前田日明
前田氏が語ったUWF

葉巻じゃなくてパイプになっていました。

どんどん貫禄が増していきますねぇ。

今回のテーマが『UWF30周年』という事で、

ユニバーサルからの一連の流れを振り返って…というよりも、

前田氏自身の半生を語る内容となっておりますが、

その流れの中、本当に久しぶりに高田延彦の名を出した部分がありました。
視線をそらさない前田

KAMINOGE vol.28―世の中とプロレスするひろば 「UWF30周年」前田日明
 KAMINOGE vol.28 より

前田
(略)アイツらはそれぞれに分散(リングス・藤原組・Uインター)してやったけど、あのまま俺に乗っかってUWFを続けてたら普通に給料も3倍になってたし。だって、スポンサーで『初期投資で6億ぐらい出して、それから順次、のべで30億ぐらい出す』って企業があったんだからね。で、WOWOWの放映権料もついて、武道館とかアリーナクラスで4000万、ちっちゃいところだと3000万出すって。それを勘定するだけでもね、普通に考えたら給料3倍じゃん。そういう流れだったから、それでもうチンケなことできないなと思って、(UWFに)オランダから選手を呼んだりしてさ。で、『みんな練習してるから大丈夫だろう』と思ったら、ついていけない連中が出てきて」

「でもそれはそれでね、宮戸(優光)はレフェリーにしてやったりしようとか、俺は俺でいろんな道を考えたんだよ。だって、(クリス・)ドールマンだ、やれサンボだっていって、いま考えたら誰もついていけないよ。無理。高田でも無理」


…へ?

ちょっと待って下さいよ。

当時のUWFにおいて高田で無理だとしたら、

迎撃する選手ほぼいないんじゃないですか?

組長? 山ちゃん? 船木? 鈴木? 安生?

ジャケットマッチとはいえU-COSMOSにおいて、

山崎のサンボへの対応力ははっきりしています。

船木と鈴木が高評価していた安生、

そしてその安生が一目置いていた高田。

この辺の関係性は見る角度によって全く違ってきますけど、

高田でオランダ勢が無理だったなら、

UWFとオランダ勢の対抗戦自体成立しなかったでしょう。

でもリングスにおいてはデビュー直後の長井でも、

ある程度は対応していましたよね。

私には、また一貫性のなさが見えてしまいました。

前田
「ハッキリ言ってね、みんなが俺の部屋(前田が解散宣言を行った自宅)を出て行ったあとに何があったかっていうと、のちにいろんな当事者から話を聞くじゃん。あれは最初から高田のクーデターだったんだよ。間違いない」

「アイツはアイツで不安なことがいっぱいあったんだよ。船木(誠勝)が台頭してきてさ、いいとこなしでやられちゃったりしたじゃん。あの頃の高田をいま思い返してみると、ちょっと増長しだした頃だったからね、どっちかと言うと」


この「いろんな当事者」っていうのは、

前田氏と揉めなかった、或いは後に和解した人達の事ですよね。

高田本人はもちろん、高田と行動を共にした人達の話は、

全く耳に入っていないんでしょうね。

「いいとこなしでやられちゃった」試合が、

1990年8.13 横浜アリーナの事なら、

あの結果はほぼアクシデントによるもので、

試合内容としては五分か、むしろ高田の方が押していた印象があります。

もしも前年の初戦の事を指すのなら、

あれは高田が勝っていますしね。
高田引退試合煽りV14

まあ後年、1988年の露橋の自身と高田の試合も、

向井亜紀さんが観に来てたから、高田に花を持たせた”みたいな事言ってましたから、

アレなことはアレなんですけど。

…。

とにかく現在もこれからも、

高田と会うつもりはないそうです。



和田良覚さんは前号(参照:和田さんが再び語ったUインター道場)に続くインタビュー後編。
さすらう和田さん

今回はリングス時代を振り返っています。

その中でこれまた珍しく田村潔司について語っていました。

和田
「ボクは『桜庭、桜庭』って言ってますけど、もちろん田村潔司の異常な強さも身に染みてわかってますから。あのヘンゾ・グレイシーやジェレミー・ホーンにも勝ってますし。とにかくあり得ない強さですよ。タムちゃんはリングス時代、小兵なのにデッカイのとよくやってましたよ。それこそグルジアの(ビターゼ・)タリエルなんか、身長2メートルで体重150キロですよ? それと無差別級でやってるんだから」


ここから延々とタリエルをはじめとする、

リングス参戦ガイジンの驚愕エピソードが続きますが、

プロレスラーとは一味違う化け物っぷりと、

そんな怪獣相手にメインを張り続けた事の凄さ。

これが和田さんの言う「田村潔司の異常な強さ」でしょう。
田村も腕を極め返して、

その和田さんが長いレフェリー生活で、

最も誇りに思っている事が一つあるそうです。

和田
「ボクはこれまで、PRIDEやK-1、HERO'Sとか、いろんな大きな舞台でレフェリーやらせてもらいましたけど、UWFインター、リングス、パンクラスという、3団体すべてでレフェリーをやらせてもらったのは、ボクだけなんです。PRIDEやK-1でレフェリーをやらせていただけたのは、確かに光栄なことです。でも、ボクにとっては、Uインター、リングス、パンクラスすべてでできたことのほうが、ずっと大きな誇りです。ボクの始まりがUWFですから」


涙が出てきますね、この言葉。

PRIDEやK-1の様なメジャーシーンじゃなしに、

Uから派生した3つのリングでレフェリングした誇り。

改めて和田さんは日本一のMMAレフェリーだと思います。



他にも柴田勝頼による父・勝久のエピソード。

中でも『ドーリー』の真相(参照:追悼「ドーリー!!」)には注目していたのですが、

そのアンサーにはちょっと肩透かし食らいました(笑)。

柴田
「船木さんとも練習してるときに『ドーリーってなんだ?』って話になったんですよ。
(略)練習帰りにふと『ねえ柴田、ドーリーって何?』って聞かれたんですよ。『ドーリーってなんでしょう…』『息子でも知らないんだ?』って。で、『1回聞いてみます』って言って聞いたんですよ。『ドーリーって何か、船木さんが知りたがってる』って話をしたら、親父も『わかんない、なんだろうな?』みたいな」

「たぶんですけど、本人は『どうだ?』『どうら?』『どうりー?』ってなっていったって言うんですよ。ひとりで『ドーリー』にしたんですよ。『どうだ?』『どうら?』『どうりー?』って。本人もなんか曖昧な答え方でしたけど(笑)」


そうそう、それ‼

その曖昧さこそが柴田レフェリーの魅力でした。
「ドーリー!」

『どうだ?』の進化形が『ドーリー!!』だった訳ですね。

長年の疑問が解けました。



そしてこの号のハイライトは、

もしかすると変態座談会での木村健悟だったかも知れません。
嬉しそうなキムケン

伝説の一曲『マッチョドラゴン』きっかけで、

キムケンの歌唱批評が始まります。

木村
「だいたい、夜寝るときに『マッチョドラゴン』聴いて眠れるか? 俺の曲聴いたほうが心が安らかになるよ! あれが俺の歌より売れるなんて、ふざけるなって!」

「キラー・カーンも歌は上手いんですよ。でも、彼の歌は民謡なんですよ。あの甲高い、額あたりから抜けるような声はさ、人にドッシリと余裕を持って聴かせる歌じゃないじゃん。
(略)まあ、キラー・カーンも死んだから言うけど、ハッキリ言って俺の足元にも及ばない!(※注:キラー・カーンは健在です!!)

「あとは誰? 俺に挑戦してくるのは」

(マイティは?)ああ、上手かったね。でも俺の比ではないよね」

(長州は?)長州の場合は言葉になってないじゃん! あれこそ通訳いるよ」

(佐山は?)そういえば歌ってたな。でも、まだまだ(笑)。まだ修行が足りないな」


もう全戦全勝!!(笑)

らしくもありすぎ!!

とにかく自信満々のキムケントークに抱腹絶倒でした。

昭和のレスラーの話は本当に面白い。

“聖人”エル・サントもキムケンにかかれば「クソジジイ」ですからね(笑)。

最後に一言「イナズマッ!!」
稲妻っ!!

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tag : 前田日明 木村健悟 柴田勝頼 和田良覚

comment

Secret

No title

高田に関しては、「3度(許せないことが)あった、2度目までなら許してきた」という言い方を前田はしていて今は過去も含めていろいろ気に障るみたいです。
坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、ってなもんで過去にあった「カチン」とするレベル、自分が違和感を感じるレベルのことでも、思い出せちゃうんでしょうね。


オランダ云々に関しては「あれ?」って感じですね(苦笑)
確かに、身体のサイズが大きく違うせいもあってこういう発言になってるのかも知れませんが(実際リングスとUインター選手の体格差は大きかったと思います)、Uインターの中でも大きい方でもなかった田村があれだけリングスでトップを張れたという事実からも、ちょっと言いすぎな気はしますね。

で、その田村。
「あのヘンゾ・グレイシーやジェレミー・ホーン」
という感じで、ジェレミーホーンの名前が出てきますが日本においてジェレミーホーンはあまり強豪扱いされてませんが、実際相当の強者だったりします。
あと、尾崎社長と前田の裁判に関しても証言していて
「前田は肩を揺すっただけ」
と言ってたそうです。

ドーリーについては、H.Tさんのところで小っ恥ずかしいことを書いたのでスルー(笑)

キムケンに関しては時々思いますが、今のプロレスというか”言葉”が表現として強く左右される時代に生まれてれば結構いい線行ってたかも知れません。
比例区で選挙に出た時も、ハーレーで全国遊説したりして突っ込みどころ満載ですし(笑)

前田が語った、和田も語った、ケンゴは歌った

和田さんは先日のIGF(MMA)でも良いレフェリングしてましたよ。
あぁ、これは戦ってる選手は勿論、主催者も有り難いだろうなっていう。
キッチリ見てるし、それを流さないですもんね。
和田さんからしたら当たり前のことをしてるだけかもしれませんが。
それは細かいことだったりしますけどね。あまり観客には伝わらないような。

今の選手からしたら、和田さんに裁いてもらうことは一つのステータスなんじゃないですかね?

プロレスの試合は、ある意味、レフェリーが作るものだと言われてますよね?
でも、なかには壊してる人っていません!?
邪魔な人とか(苦笑)
実は私、同じ和田でもK平の方は大っ嫌いなんですよ!
何で評価が高いのかわかんない。
レガさん的にはどうですか?

ケンゴさんイイですねぇ!(爆笑)
飛ばしてんなぁ!
私は佐山さんの「バァ~ニィ~ン、バァ~ニィ~ン…バァ~ニィ~ン、タイガァ~♪」が好きですけど。



あれ?
「ドーリー!」は「Do As Infinity!」じゃなかったんだ。

No title

やっぱりオラはキムケンの話がおもろかったです^^;

キムケンに対する印象が、最近観た対国際井上、浜口でちょっと変わっちゃったんですが、今回のインタビュー読んで納得できました。

トライアングルスコーピオン、オラはインディアンデスロックをチョイ持ち上げた技と解釈してます。

No title

こんばんは!
まぁいつかこんなこと言うんじゃないか?って思ってました。
やっぱり、ごちゃごちゃ言わんとワールドトーナメントの1回戦に出ればよかったんですよ。
新生高田とインターの高田は完全に別物でしたから・・。

>ナリさん

高田に関しては、「3度(許せないことが)あった、2度目までなら許してきた」…過去も含めていろいろ気に障るみたい<高田に限らず、何度目かはわかりませんけど許さない人間が多々いる様ですね。
今回インタビューに出てきたT氏なんかは笑って済ませれる次元じゃないですけどね。

Uインターの中でも大きい方でもなかった田村があれだけリングスでトップを張れたという事実<そうです。そこなんですよ。
田村に限らず金原辺りもリングスに移ってから何連勝しましたか? と。皆まで言いませんけど。

ジェレミーホーンの名前が出てきますが日本においてジェレミーホーンはあまり強豪扱いされてませんが、実際相当の強者だったりします<ブラッド・コーラーとかの方が名が通っていましたからね。当時のリングスでは。

キムケンに関しては時々思いますが、今のプロレスというか”言葉”が表現として強く左右される時代に生まれてれば結構いい線行ってたかも知れません<とにかく自信満々なんですよね、何事も。
今号の前田氏はじめ、とかくU系の選手たちからは舐められがちですが、他にはいないタイプのメインエベンターでした。

>宮戸ゲノムさん

戦ってる選手は勿論、主催者も有り難いだろうなっていう<出しゃばらずに裁きながらも、頑として譲らない部分は譲りませんからね。

和田さんからしたら当たり前のことをしてるだけかもしれませんが<PRIDEにおいては、和田さん以外のレフェリーで何度もミスしてるのを見ましたからね。
私は今でも田村はサップに反則勝ちしていたと認識しています。

今の選手からしたら、和田さんに裁いてもらうことは一つのステータス<そうならいいですね。和田さんという名が一つのブランドになっていたらいいです。

実は私、同じ和田でもK平の方は大っ嫌いなんですよ<何をもってレフェリングの評価とするかもファンそれぞれ違うんでしょうけど、案外猪木は全日系のレフェリーのレベルを認めてたらしいんですよね。
だから自身の大一番には所属レフェリーよりも特別レフェリーを招いていたんでしょうね。

私は佐山さんの「バァ~ニィ~ン、バァ~ニィ~ン…バァ~ニィ~ン、タイガァ~♪」が好きですけど<小節の回し方が絶妙なんですよね(笑)。甘い声だし。
それでも長州とか藤波とか…昭和のレコード業界は怖い者なしだったんですね。

「ドーリー!」は「Do As Infinity!」じゃなかったんだ<ななな? 随分と端折りましたね(笑)。

>BKっち

オラはキムケンの話がおもろかったです<そういや以前のサミットで、キムケン最強説出ましたもんね!!

キムケンに対する印象が、最近観た対国際井上、浜口でちょっと変わっちゃったんですが、今回のインタビュー読んで納得<対抗戦になると俄然爆発するのが新日本ですもんね。
これは反選手会同盟でWARに乗り込んで行った時にも表れていました。

トライアングルスコーピオン、オラはインディアンデスロックをチョイ持ち上げた技と解釈<どちらの技もプロレスごっこにおいては禁断の技でしたね(笑)。
まぁ靭帯損傷実績もあるBKっちにとっては、どちらも一笑に付した程度の技かも知れませんが(笑)。

>Fさん

こんにちわ。
お久しぶりです。

いつかこんなこと言うんじゃないか?って思ってました<安生も宮戸も田村もボロクソに切り捨てていますからね。
所詮は後ろ足で砂をかけて出て行っても愛弟子がかわいいというか、ある意味根っからの親分気質なんでしょうね。

やっぱり、ごちゃごちゃ言わんとワールドトーナメントの1回戦に出ればよかったんですよ<あの時期に闘っていれば、高田の完勝だったと思います。
やっぱりやっていて欲しかったですよね。

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>○さん

面白いですよね。

KAMINOGEという媒体に乗っかる事で面白さが、かなり増幅しますからね。
時空を超えて、今聴いてもマッチョドラゴンは面白いからなぁ…。
もはや古典落語の領域ですよ。
紫レガとは?

紫レガ 

Author:紫レガ 
44歳のプロレス話


待て待て待て待て!! 読め!! 俺の記事をこの野郎!! 待て貴様ぁ!!

どーですかぁーーーー!!

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