Separate Ways(1995)

大変遅くなりまして申し訳ございませんが、

1月にスパさんから頂戴したDVD(参照:来た!)によって、

“Uインターの未来形”シリーズをコンプする事が出来ました。

あれからかなりの時間が経過してしまいましたので、

今一度、二人のストーリーを読み返してもらってから、

この記事をお読み頂けると幸いです。

 未来は僕等の手の中

 未来への扉~前編~

 未来への扉~後編~

 強い弱いだけのプロレスリング

 叶わなかった未来形


この試合が行われた時期はUインター激動期真っ只中。

高田延彦参院選出馬の中、

田村潔司が暫定エースとしてメインを張っていました。
試合前のインタビュー

垣原賢人にとっては結果的に最後の下剋上チャンスでしたが、
カッキー引き締まった表情で入場

この試合を機にそれまで一緒だったはずの、

二人の道がそれぞれ分かれていった分岐点だった訳です。
落ち着いた表情で入場の田村

1995年7.22 博多スターレーン

田村潔司vs垣原賢人


正真正銘“最後のシングルバウト”です。
田村潔司vs垣原賢人

ゴングが鳴るとアップライトに向かい合う。

お互いにサウスポーですね。
さあ試合開始です

これは打撃よりも、

タックルなど組み際の攻防に重きを置いての、

構え方だと思われます。

田村は何度かフェイントを掛けますが、

先手は垣原の左掌底から。
フェイントをかける田村に垣原は掌底

田村の左顔面をかすめます。

すぐに田村は重いローキック。
田村はローから

さらに右を打ったところに、
2発目のローは、

垣原がタックルで飛び込みます。
垣原がタックルに入る

ここは田村が冷静にがぶって対処し、
田村はがぶって潰すと、

バックを奪いつつ、上になります。
上になり、

垣原はここで船木直伝の足関へ。
足首を極めに行く垣原にも冷静な田村の表情

力任せに絞り上げていくと、

思わず苦悶の表情を浮かべる田村。
一瞬苦悶の表情を浮かべる田村、

一瞬の隙をついてフェイスロックに入ると、

そのまま体勢を入れ替えて、
隙をついてフェイスロックから体を入れ替え、

改めて上になり、

縦四方気味にコントロールしながら、
上になって、

徐々に三角の形へ。
上から三角を狙いつつ、

垣原が裏返ると首を取りに行きます。
裏返った垣原の首をとって、

再び足を極めに行く垣原に、
再び足首を取る垣原、

それを利して田村はスパッと腕十字の仕掛け。
田村が腕十字に行ったところで、

垣原が切り換えさんとすると、

田村は深追いせず、お互い離れて立ち上がります。
同時に離れて立ち上がる

期せずして湧き起こる拍手…あぁUWF。

再びローから入る田村に、

タックルを合わせていく垣原。
田村のローにタックルを合わせる垣原

深く右足をキャッチしますが、

田村は再度がぶってのフロントスリーパーから、
執拗に足を取る垣原に田村はフロントスリーパー

潰してバックへ。
バックに回って、

余裕を持ってコントロールしていきますが、
コントロールするが、

またしても垣原の足関。
逆に垣原が足を取る

ここで田村が声を荒げてのファーストエスケープ。
ファーストエスケープは田村

完全に足関一本の作戦に出た垣原。

しかし実はこれ、

田村の作戦だったのです。

KAMINOGE vol.20―世の中とプロレスするひろば 宮藤官九郎はワカマツがお好き。
 KAMINOGE vol.20

田村
「いま振り返って感じるのは、カッキーはガチガチの格闘技には向いてなかったと思うね。
(略)いつだったかカッキーと試合して俺が足首を取られたとき、べつに痛くないんだけど、垣原の耳元で『痛ッ!』って言ったの。そしたら『ギブアップを取ってやろう』って、凄い力を入れてきた。でもこっちは冷静で、極まらないと思ってたから力を使わせて。結果的に垣原はそこで体力使っちゃって、俺が体力的に圧倒的に有利になったからね。だから、性格がまっすぐすぎて、格闘技にはあまり向いてなかったと思う」


そのまっすぐさがカッキーの魅力でもありましたが、

のちに同門対決で後輩に連敗を喫した事も、

ここに関係してくるのかも知れないですね。

とにかく愚直なまでに垣原は足を狙っていきます。
垣原の低いタックル

これを切りながら一瞬だけ、

腹固めを狙ったかに見えますが、

とにかく田村が上になります。
それでも上になるのは田村

そのまま体を入れ替えてマウントへ、
体を入れ替えマウントへ、

ほんのちょっとの間を衝いて、

垣原はブリッジで田村を跳ね上げると、

みたび足首を極めに行きます。
みたび足首を取る垣原、

田村は回転しながら2度目のエスケープ。
田村2度目のエスケープ

まさかの垣原ポイントリードですが、

これも田村の意のままでしょうか?
15対13、垣原リード

またも低いタックルに来る垣原を、

田村がローで迎撃。
今度は先にタックルに来た垣原に合わせる様に田村のロー

そのまま亀になる垣原のバックから、

田村は狙いを定めておいて、
バックに回って狙いを定めてから、

左足で餌を撒いてからの腕十字。
一気に、

垣原が両手をクラッチして耐えると、

ロープへの距離を確認してから、
ロープとの距離を確認して、

一気に声を出して力を込めます。

田村
「トリャー!! タァーー!!」

気合一発込めて、

クラッチが切れると同時に垣原はタップ。
腕十字で一本

これは田村の完勝ですね。
雄叫び一発

この試合もNKホールと同様、

いわゆる“あちら側の試合”という説があります。

ただし以前も書きましたが、

私は宮戸風解釈で言うと、

この試合は「コンテスト」だと思うんです。

「シュート」じゃなしに。

その理由の一つが試合後の田村の笑顔ですね。
満足げな笑顔の田村

純粋に競技として、

勝敗を競った試合だったんじゃないでしょうかね。

曰く、「前回のNKホールを進化させた試合」
試合後の田村

逆に言えばこのコンテスト形式こそ、

UWFの究極の形だったかも知れません。

その中でも頭で描きながら試合を創造していた田村。

彼こそがUWF(≠ユニバーサル・プロレス)だと私は確信しています。



そして本当に本当に、

スパさんありがとうございました!!

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tag : 田村潔司 垣原賢人

comment

Secret

No title

記事にして頂き誠にありがとうございます。

コンテスト=競技と私も長らく思ってましたが、どうも違うようですね。
週刊大衆の「1964年のジャイアント馬場」はお読みでしょうか?
それによると、実際のリングでの序列をつけるために行われる無観客試合が「コンテスト」のようです。
確かに、コンテストの語意から考えると、「何のために」「何を競うか」があってのコンテストですもんね。

じゃあ、田村VS垣原は何なのか?
ただ、潰し合うだけの勝負ではなく。
ただ、見せるだけの演武でもなく。
お互いのプロ意識が根底にあっての実力勝負。
自分は、これこそがUWFの到達点だと思うんですよね。

>スパさん

記事にして頂き<こちらこそ、改めてありがとうございました。

コンテスト=競技と私も長らく思ってましたが、どうも違うようですね…実際のリングでの序列をつけるために行われる無観客試合が「コンテスト」<その連載は読んでおりません。そうなんですか。
私の見解は常に宮戸基準ですので、以前kamiproで語っていたシュート、コンテスト論がそのベースです。
ですからシュートの定義も大多数の方々とは異なるかも知れません。

ただ、潰し合うだけの勝負ではなく。ただ、見せるだけの演武でもなく。お互いのプロ意識が根底にあっての実力勝負。自分は、これこそがUWFの到達点だと思う<人それぞれのUWFがあるんでしょうね。
田村の場合はパンクラスの影響もあって、完全なるシュートを未来形とは見ていなかった様ですね。だからKOKやPRIDEも一つの枝であって、幹はUスタイル。
これ世間一般の格闘技ファン層とは真逆の考え方になると思います。
私もスパさんの認識がしっくりきますね。
でもそれって猪木プロレスにも通ずるものがありますよね。

No title

うん、いい試合だ!
今はこういう”プロのレスリング”を競う試合がなくなって久しいですね。
新日本プロレスが絶好調ですが、たまにこういう試合を見たいと思っていてもやってくれる選手がいないかなぁ。
柴田あたりがこういう試合をやってくれたらいいのに。
危険なムードだけではなくて。

No title

私の知ってるUWF は こんな試合です。
田村君の こういう試合がすきでした。
いつのまにやら 私が 離れてしまってる間に
(たぶん育児中)
わけがわからなくなって もう二度とみることは
なくなりました・・・残念。

今現在、真輔の試合からも すこしはなれています。
いろんなことが 多忙につき。(おもにジャニーズ系。)
これが4月頭に収束に向かうので。
5月に矢野ちんの修学旅行DVDが発売になるころには
また 戻ってまいります。なんの表明??(笑)


文章で上手く伝えられませんが…

きっとこういった試合って両者共がある意味、同じ方向を向いてないと出来ない試合なんじゃないかと思います。プロフェッショナルなレスラーとして。
脱線して相手を食らわすことは多分出来ると思います。でもそうじゃないですもんね。

>ナリさん

今はこういう”プロのレスリング”を競う試合がなくなって久しい<場面場面はあるんですけどね。終始それを競って結末を迎える試合というのは皆無でしょうね。

柴田あたりがこういう試合をやってくれたらいいのに。危険なムードだけではなくて<やはり行き着くところは柴田ですね。後藤との友情もいいのですが、ねちっこく取り合うだけの試合も見てみたいです。

>ケロさん

私の知ってるUWFはこんな試合です<純粋に技術を競う…これもUWFの一面ですからね。ほとんどのプロレスファンが描くUは、これの事だと思います。

いろんなことが多忙につき。(おもにジャニーズ系。)<夢中なご様子ですね。
ケロさんがいつまでもお若くいられる理由の一つでしょうね。

矢野ちんの修学旅行DVDが発売になるころにはまた戻ってまいります<そんな寂しい事を言わず…いつでも来て下さい。
つぼ八みたいな気軽さがこのブログですから。

>宮戸ゲノムさん

きっとこういった試合って両者共がある意味、同じ方向を向いてないと出来ない試合なんじゃないか<垣原側はともかく、田村の方はそういう思いが強かったみたいですね。
特にこの博多での最後の試合が、ある意味完成形に最も近かったみたいです。

脱線して相手を食らわすことは多分出来ると思います。でもそうじゃない<同じ釜の飯を食ってる以上は難しいと思いますが、Uのリングにおいてはそれさえも起こりかねない。
そしてUインター独自の『入ったらごめん』がある以上は、だまし討ちという概念すら存在しないのかも知れません。

この構え

「これは打撃よりも、タックルなど組み際の攻防に重きを置いての、構え方だと思われます。」

70年代後半、猪木がよく似た構えから左右の張り手を出していました。
「バリツーズの構え」「バリツーズ流のチョップ」という人が居ました。バーリトゥードじゃなくてバリツーズの時代。言われてみればイワン・ゴメスの構えもこうだったかな?

全ては記憶のかなた。

>SisLANDさん

70年代後半、猪木がよく似た構えから左右の張り手を出していました<あ、そうだったんですか。
ロックアップの関係上、プロレスではほぼ右構えが多いと思うのですが、意外ですね。

「バリツーズの構え」「バリツーズ流のチョップ」という人が居ました…イワン・ゴメスの構えもこうだったかな?<これまた貴重なお話ありがとうございます。
ゴメスの試合なんて映像で観た事がないです。
紫レガとは?

紫レガ 

Author:紫レガ 
44歳のプロレス話


待て待て待て待て!! 読め!! 俺の記事をこの野郎!! 待て貴様ぁ!!

どーですかぁーーーー!!

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