荒鷲が語った新日史

年末からちょこちょこっと読んでいる、

Gスピリッツ vol.30(参照:黄金コンビで表紙買い)ですが、

久々の新日特集で読み応えありましたね。
Gスピリッツ Vol.30 (タツミムック)

巻頭は坂口征二2万字インタビュー。

正直、昔から坂口のインタビューって、

馬場さん同様あまり興味深い話は出て来ないんですけど、

今回は聞き手の小佐野さんが意識して、

端的に時系列で進めていってるので、

読んでて心地良いものがありました。

いくつか心に残った部分を抜粋しておきます。

私自身が無知な部分で興味深く読んだのは、

まず日プロに残されて繰り上げエースとなってから、

猪木新日との合体を決意して孤立した部分。

いわゆる大木金太郎との確執ですね。
韓国の猛虎・大木金太郎

 Gスピリッツ Vol.30 より

― 一度は合併案が正式に発表されながらも、大木さんの反対もあって日プロの選手は2派に分裂してしまいました。坂口さんはその過程をどう見ていました?

坂口「やっぱりベテランの大木さんをみんなが立てたんじゃないの? 大木さん自身の中には、追い出した猪木さんと後輩の坂口が創る団体ではやれないっていうプライドがあったんじゃないかな」

(略)

― 最後の3月シリーズの雰囲気はどうだったんですか?

坂口「もうギスギスだよ(苦笑)。巡業に出ている時に新間さんから電話が掛かってきて“もう試合に出るのは止めて、東京に帰ってきてください!”って言われてね。それぐらい危ない雰囲気だった。最後の1週間は特に殺伐としていて、木村たちも可哀相だったよね。だけど、俺は最後までちゃんとやろうって心に決めていたよ」

― 3月2日に横浜文化体育館で坂口さんがUN王座の防衛戦を行いましたが、挑戦者のジョニー・バレンタインがセメントを仕掛けるという噂が流れていたようですね。

坂口「いや、逆に俺が何かやると思っていたのか、リングの周りにセコンドがたくさん付いていたよ。でもお客さんの前でヘンなことできるわけないじゃない? そこはバレンタインだってわかっているから、普通の試合だったよ。それは最後の佐野の時も同じだったよ。(略)あの日は大城がちょっと可哀相だったけどね。桜田にボコボコにされて…」

― 記録は14分45秒、桜田さんのリングアウト勝ちですが、大城さんに対して一方的に殴る蹴るの制裁を加えたと聞いています。

坂口「桜田も訳がわからず先輩から“やれ!”って言われていたんだろうから、可哀相だったけどね。佐野の時は、試合前に俺と木村、小沢、大城の4人でビジネスホテルに飛び込みで入って、そこで着替えて、必要なものだけを持って会場に行ったよ。俺はセミだったんだけど、木村と大城に“車のエンジンかけて待っとけ”と言っておいてさ。試合が終わったら控室に戻らないで、パッと車に乗ってホテルに戻ったんだよ。そうしたら、何人かが追いかけてきて“逃げやがった!”って(苦笑)。それからホテルで着替えて、その晩のうちに俺が3人を新日本の道場に“お世話になります”って連れて行ったんだよ。山本小鉄さんと藤波(辰爾)がいて、“よく来てくれた”って」


この辺の一部始終は、

全日離脱~ノア旗揚げ当時の三沢光晴の状況と似ていますね。

あの時もS・ウィリアムスが仕掛けるとか仕掛けないとか。

まさに一触即発ですが、

実際に大城はボコられた、と。

この辺りものちの“サクラダ喧嘩最強説”につながって来るんだろうなぁ。

こういうシュートな事象が昭和プロレスの恐ろしさでもあり、

またこれが新日入団以降はリングに反映させていくという、

まさに脅威の新間寿なんですよね。

坂口「その当時の仕掛けは全部、新間さんがやっていたと思うけど、大木さんが新日本に上がるという話になった時には“何を言ってるんですか”って大反対したんだよな。俺にしてみたら、“何を今さら”という気持ちが強かったからね。ワールドリーグの公式戦にしたって、“俺はやらないですよ”って言ったことがあったよ(苦笑)」

― 大木さんとはシングルで3度ぶつかり、4.25福山の公式戦は無効試合、5.9高松での再戦は坂口さんのリングアウト勝ち、5.16日大講堂の準決勝は両者リングアウトでした。いずれも荒れた試合になりましたが、あれはそうした感情の表れだったと?

坂口「やっぱり“この野郎!”っていうのがあったよね。だから、ガッチガチの試合になっちゃったんだよ。その後、まったく接点がないもんな。大木さんが絡んだ新日本の韓国遠征にも俺は行ってないし」


スイングする理由がどこにもないカードを、

堂々とTVマッチに持ってくるというのが“過激な仕掛人”たるところ。

常々、アントニオ猪木が言っていた、

「本人同士がやりたくない試合こそ、ファンが一番観たい試合」の原点がここにありますね。
ノーモーションのニールキック②

時が流れて幾度かの黄金時代を経ても、

マッチメイカーとなっていた坂口の理論は同じです。

― 前田が試合中に長州の顔面を蹴って右前頭洞底骨折の怪我を負わせた一件ですが、これにより前田は出場停止処分になり、そのまま88年3月1日に解雇されます。

坂口「あれが故意か偶然かわからないけど、やっぱりプロとしたらルール違反だろ。出場停止にしたのは、それに対するペナルティは当然だけど、あのまま前田をシリーズに出場させたら、どこかでまたアクシデントが起こる危険性もあったからでね。あれは前田自身の身の安全を考えてのことでもあったんだよ」

― その後、年俸の15%ダウン、メキシコ遠征に出して88年4月からの復帰というラインで話を進めたものの、前田はすべて拒否したんですよね?

坂口「ああ、メキシコに行かせる話はあったね。俺は87年9月にUWAの会長になったから。確か前田は“メキシコは嫌ですけど、ヨーロッパなら行かせてください”って言ったのかな。俺としたら、やっぱり解雇はしたくなかったよ。プロレスってさ、リングの上で起こったことは、最終的にはリングの上で解決するべきだろ。でも、“問題が解決するまではマスコミの取材は一切受けない”という約束を破って前田が週刊誌(『週刊プレイボーイ』)で余計なことを喋っちゃったから、そこはしょうがないよな」


前田日明の大きなターニングポイントとなった“顔面襲撃事件”、

そのキーマンが坂口でした。

のちに前田はアンドレ戦やニールセン戦の黒幕として、

坂口の名を挙げていましたが、

坂口は坂口の立場で大切なタレントの一人として、

前田の復活を考慮していた様です。
視線をそらさない前田

もしもこの時、

前田がメキシコ行きを飲んでいたら…、

もしもこの時、

坂口がヨーロッパ行きへの変更を承諾したなら…、

新日本プロレスの歴史は大きく変わっていたでしょうね。
前田組勝利

他にも馬場全日との企業戦争やクーデター事件に、

ブロディを中心としたガイジンの秘話、

WWFやエリック、ワット、メイビア…アメリカとの交渉裏話、

ビジネスの話中心でしたが面白い内容です。

70~80年代の新日が好きだった方なら必読です。
Gスピリッツ Vol.30 (タツミムック)

昨今いろいろ言われてる事が多くなってきた坂口ですが、

何より闘魂三銃士をオーバーさせた平成新日本の功労者の一人ですからね。
ヲーミングアップする三銃士

今、当たり前の様に新日プロが存在しているのも、

この人のお陰でしょう。
新日四天王揃い踏み

関連記事
スポンサーサイト

tag : 坂口征二

comment

Secret

No title

ツタヤで立ち読みしたケロです。
この表紙 なまらインパクトありますよね。
ずるい~と思う。
買わなかったけど(テヘペロ)

キラーカーンの話とはまた違う坂口の表情が
わかりますね。


なんでもそうだけど。
片方から見ただけじゃ わからないってことですよね。
前田の処分も相応だと思うし。
けど前田はそれを蹴っちゃったんだもね~
正解なんてないけど。思いをはせるよね~

板坂本 途中で読むの辞めちゃって・・・アハハ
読破できるかなぁ~・・・ごめんね BKっちさん・・・

どもっす。
明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします!(遅いか…)

馬場さんは全日本に坂口誘わなかったのかな?坂口といえば、ドームでの全日勢参戦はものすごいワクワクしたもんですわ。

ケロさん、あの本はオラも後半つまんなくて投げ出してます(^-^;フラメンコの話かなんか(映画だったかな?)になっちゃって全然ついていけないですもんね…。


あ、ちなみに今日岩見沢来てます。
ニシムラ見つけました。

No title

私も今日読みました。
思ったより面白かったです(笑)

前田から見たアンドレ戦、坂口から見たアンドレ戦。
真実はどちら・・・というよりは、それぞれの見解という感じでした。
前田に坂口の言い分を言っても
「そんなわけ無いでしょ?」
坂口から言わせたら
「俺の立場からそんな事するわけない」
の堂々巡りでしょうね。

メキシコ行き、年俸カットの件も当時の前田からすると
「俺はそんなに悪くないし、メキシコいってどうしろと?」
ってところですね。
以前プレイボーイの取材の件も前田は何か言っていたような?
「いつまでも連絡が来ないし、週プロ・ゴングには取材されないし・・・」みたいな。
UWFでは視聴率を稼げない、そこに視聴率男(?)の長州が帰ってきた、いろいろ考えても自分らが主流になるとは考えにくい・・となると、独立してやっていこうというのは冒険ですがどうせ潰されるなら!!ってところでしょうね。

しかし、「バックに誰がいるか知ってます?」と若松が天狗になってる話(?)はちょっと興味深かったですね。
現在語られている真面目で実直な若松と少し違って。
その分、うまく操られていたのかもですが。

>ケロさん

この表紙なまらインパクトありますよね<まさに黄金コンビ!! ちゅう写真ですよね。
均整の取れたアントンの肉体と、もはや怪獣みたいなビッグ・サカ…素晴らしい。

キラーカーンの話とはまた違う坂口の表情…片方から見ただけじゃわからないってことですよね<そうですね。レスラーのインタビューは特にそれが言えますね。
一ついえるのはお金に細かい坂口だからこそ90年代の隆盛があったんだと思うんですよね。

前田の処分も相応だと思うし<当時は「新日汚えなぁ」と思ったんですけど、坂口の立場ならこうなるのも仕方ないかなぁ…と40代になって気付く自分がいます。

けど前田はそれを蹴っちゃったんだもね~<新生UWF有明大会のパンフにクマさんこと篠原勝之氏のコメントで、「あれは長州の顔面を蹴ったんじゃない。時代の扉を蹴破ったんだ」と。
確かにアレで前田は時代の寵児になったんですよね。

板坂本途中で読むの辞めちゃって・・・アハハ<いや至って正常な主婦の姿ですよ(笑)。

>BKっち

あけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。

馬場さんは全日本に坂口誘わなかったのかな?<馬場さんから直接はなかった様ですが、日テレなどからは誘われたそうです。
むしろ馬場さんは「日テレとの義理があるから俺は出て行く。お前は残って日プロを守れ」と。
確か馬場さんって全日旗揚げを担がれなかったら、アメリカ行くつもりじゃなかったでしたっけ?

フラメンコの話かなんか<結局、本業の話になっちゃううんですか?(笑)

>BKっち

ちなみに今日岩見沢<おおっ!? 泊まりですか?

ニシムラ<幌向駅前ですね?
ユカたん食べましたか?

>ナリさん

思ったより面白かった<そうなんですよね(笑)。坂口インタビュー史上ナンバー1じゃないかと。

前田に坂口の言い分を言っても「そんなわけ無いでしょ?」
坂口から言わせたら「俺の立場からそんな事するわけない」<互いの立場的なものもありますしね。
近年びっくりしたのが、前田氏の「坂口は弱い。俺は新弟子のときからスパーで極めらていない」発言。
仮にも柔道日本一と大阪のストリートファイターですからね…どうなんでしょうか?

「いつまでも連絡が来ないし、週プロ・ゴングには取材されないし・・・」みたいな<いや週プロは確か取材してましたよね、道場で。
「今はまだ言えない」的な。
薄々、独立感は感じましたけどね。

独立してやっていこうというのは冒険ですがどうせ潰されるなら!!<確かに前高山の三者ではそういう風に話してたそうですね。
「何戦かやって潰れたら皆で運送業やろう」みたいな。

「バックに誰がいるか知ってます?」と若松が天狗になってる話<金が人を変えるのか、人が金の意味を変えるのか…。
SWSとブシロードがよく引き合いに出されますが、そこの存在する金の意味が違ってるんでしょうね。
ケロさんのコメントにもありますが、片方の言葉だけ読んでいたんじゃわからない部分ありますよね。

こんばんは。

前田が思う陰謀だとされる部分、興味深く読みましたけど、前田の場合、どこか被害妄想というか自分発信の話が多いので、前田の独りよがりなんじゃないかなぁという気がします。
冷静に考えれば視聴率や集客には貢献できなくても、当時の中高生には一番人気の選手を潰す真似するものなのかと思いますけど。

次回は坂口の次なので、藤波、キムケンの新日ニューリーダーズの対談が読みたくなりました。

意外とニーズあると思います。

Gスピリッツにイナヅマ!

No title

馬場さんは日テレとの契約無視してテレ朝にも自身の試合を流した日プロに愛想つかしたんですよね。
確かに引退してハワイ暮らしの予定だったようですもんね。全日も外人と弟子にまかせたかったんでしょうな~。だからこそ坂口欲しかったんじゃないかな?って思ってしまいました。


ユカタン、喰ってません。

>aliveさん

こんばんわ。

前田の場合、どこか被害妄想というか自分発信の話が多いので、前田の独りよがりなんじゃないかなぁという気がします<誰かは忘れたんですが、「○○に確認したので間違いない」みたいな事を言ってましたよね。
変態座談会のカーン発言などを読んで改めて思ったんですけど、坂口嫌いってたくさんいるんですよね。
だから確認した人物によっては…どうなんでしょうね。

視聴率や集客には貢献できなくても、当時の中高生には一番人気の選手を潰す真似するものなのか<そこですよね。
熊本の旅館の件でも武藤辺りは直接「お客入ってないじゃないですか」みたいな事言ってたんですもんね(笑)。
当時の中学生…私なんかはそういうの全然関係なく「前田前田」言ってたんですけどね。

次回は坂口の次なので、藤波、キムケンの新日ニューリーダーズの対談が読みたくなりました<問題はお互いにそれ程仲良くないという(笑)…。

>BKっち

馬場さんは日テレとの契約無視してテレ朝にも自身の試合を流した日プロに愛想つかした<テレビ局が絶対的な力を持ってた時代ですよね。
でも今号のGスピリッツを読むと、かつてはテレビ局の契約ってなかったそうなんですよね。
よっぽど馬場さんが義理固かったという事でしょうかね。

全日も外人と弟子にまかせたかったんでしょうな~。だからこそ坂口欲しかったんじゃないかな?って<案外、馬場さんは選手としての坂口を評価していなかったんじゃないでしょうかね。
のちのヘーシングを育てられなかった事を思い出すと、柔道出身はあまり好きじゃなかった様な気がします。

ユカタン、喰ってません<失礼しました。

いつも楽しみにしてます。更新頑張って下さい。今度、鶴田の記事を書いて下さい。

>タイガーシンさん

初めまして。
コメント下さりありがとうございます。

いつも楽しみにしてます<ありがとうございます。

今度、鶴田の記事を<なかなか資料が少ないんですよね。
やっぱり新日系が主体になってしまうんですが、気長にお待ち頂けると幸いです。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

>○○さん

確かに、この時代の前田氏は輝いています。
紫レガとは?

紫レガ 

Author:紫レガ 
44歳のプロレス話


待て待て待て待て!! 読め!! 俺の記事をこの野郎!! 待て貴様ぁ!!

どーですかぁーーーー!!

最新記事
最新コメント
カテゴリ
来場者数
最新トラックバック
検索フォーム
カレンダー
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
月別アーカイブ
リンク
QRコード
QRコード