ひとりひとり違うその中で、一番になりたがるのが男(1996)

山本健一(現・喧一)のUインター時代のイメージは、

やはりゴールデンカップスの印象が強く、

のちにキングダムで格闘技術が開花し、

リングス時代を経てUFC-JAPANトーナメント優勝…などという活躍は、

想像もつかなかったと思います。

しかしUインター末期の時点で既に、

その潜在能力は発揮されつつあったのです。

先輩である桜庭和志と技術で渡り合い、

勝利を挙げた試合があったのです。

1996年11.23 仙台ワッセでの、

桜庭和志vs山本健一
桜庭和志vs山本健一

3日前の札幌大会から開幕した、

『高田延彦対戦者決定リーグ戦』(参照:ターニングポイントは北の地から)の第2戦です。
握手から試合開始

開始ゴングと同時に前へ前へ出るスタイルは、

ヤマケン、当時も今も一緒(参照:Uの残り火)ですね。
掌底で前へ出るヤマケン、

組み際、桜庭ががぶると、

ヤマケンからグラウンドに持ち込みます。
がぶってきた桜庭を寝かせていくヤマケン

下からの十字を狙う桜庭、

ヤマケンは前転で脱出すると、
腕十字を切り返して、

バックを取りに行きますが、

早くも桜庭“Uインターの宝刀”ダブルリストロック狙いです!!
バックに回ったところに桜庭は“宝刀”狙い…ニアロープ

ここはニアロープで一旦ブレイクです。

スタンドから桜庭はローシングルでテイクダウン。
早くもローシングル炸裂、

膝十字からアンクルへの連係技で、

最初のエスケープポイントを奪います。
アンクルで最初のエスケープはヤマケン

さらに腕十字から、

ダブルリストロックの連係で連続ポイント。
腕十字、切り返されるとダブルリストロックへ

高山戦でも書きましたが、

この頃の桜庭は腕十字とアンクルなんですよね。

もちろんヤマケンの打開策は打撃、

ミドルキックは重いです。
ヤマケンの重いミドルキック

ここでもテイクダウンを奪うのは桜庭。

互いに足関節を狙う中で、
膝十字の取り合いから、

もう一つの得意技であるサソリ固めをガッチリ極めてから、
桜庭得意のサソリ固め、

追い討ちの膝十字で3つ目のエスケープポイント。
もう一度膝十字でエスケープ

グラウンドはどうしても分が悪いヤマケン、

ハイキックでぐらつかせてから、
ヤマケンはハイキックから、

真っ逆さまに落とすフロントスープレックス。
キツい角度のフロントスープレックスとつなぎ、

腕十字に行きますが、

桜庭が切り返して、
腕十字…は桜庭切り返して、

同じ技で返すとエスケープしたのはヤマケン。
反対に腕十字を極め、ヤマケンエスケープ

左肘のダメージとポイント差に思わずこの表情。
一瞬肘の伸びきったヤマケンは苦しい表情

意を決したかの様にヤマケンは、

掌底ラッシュから膝蹴り2連発。
掌底ラッシュから膝蹴り2連発で、

これにはたまらず桜庭ダウン。
桜庭ダウン

試合前のインタビューでも語っていましたが、

高山戦での頭部のダメージが残ったままの試合だった様です。

中2日でシングルですからね…キツいでしょうね。

持ち直すと、これは珍しい両足タックルから抱え上げてテイクダウン。
珍しく両足タックルから抱え挙げ、

腕ひしぎで両肘を極めに行きます。
腕ひしぎ三角で両肘を極めに行く

この辺りもエンセン効果でしょうか(参照:エンセン井上が語ってたUインター道場)?

ヤマケンはあくまでUの流儀でアキレス腱固め。
ヤマケンのアキレス腱固め、

ならばと桜庭が同じ技で切り返すと、
桜庭が同じ技で返すと、

ヤマケンはクロスヒールホールドでこの試合初のエスケープ奪取。
さらにヤマケンはクロスヒールホールドに切り返して桜庭エスケープ

打撃だけじゃねぇぜ、とばかり、

ヤマケンの高速低空タックル。
ヤマケンの低いタックルを、

しかしこれをも桜庭は宝刀で切り返し、
桜庭はダブルリストロックで切り返し、

回転して上になって行きますが、
回転して上のポジションを狙うが、

ヤマケンは全身のバネでキックアウトして、
これをキックアウトで返すヤマケン、

もう一度、腕十字狙い。
もう一度腕十字へ、

さらに桜庭はこれを切り返して、

アキレス腱固めでヤマケンエスケープ。
逆に桜庭のアキレス腱でロープへ

この一連の攻防…これぞ“回転体”じゃないでしょうか?

Uインターでは田村不在でも回転体が存在していた訳です。

ここからヤマケン怒涛の反撃に出ます。

両足タックルも速い。
超高速ヤマケンのタックル、

これには桜庭もテイクダウンを奪われます。

ヤマケンはアンクル気味の膝十字固め。
桜庭膝十字に苦悶しながら、

食いながら巧みに凌いで、

桜庭は再びサソリ固めの体勢へ。
起き上がるとサソリの体勢に、

これをさらに膝十字で切り返すヤマケン。
これを膝十字で返すヤマケン、

桜庭は起き上がると逆に膝十字を仕掛けますが、

ヤマケンは掌打の連発で脱出します。
逆に膝十字にいくが、ヤマケン掌打の連発で脱出、

桜庭はバックに回って胴締めスリーパーに入ると、

ヤマケンが足首を極め返してエスケープポイント奪取。
桜庭はバックに回ってスリーパーに行くが足首固めで返したヤマケン、

そしてこのタックル!!

“あの”桜庭が対応しきれていません。
ヤマケンのタックル速い!!

ヤマケンはお株を奪うサソリ固めをガッチリと極め、
ガッチリとお株を奪う逆サソリから、

猪木ばりのリバース・インディアンデスロック。
猪木ばりのリバース・インディアンデスロック、

さらにキャメルクラッチで苦しませておいてからの、
矢継ぎ早にラクダ固めからの、

外道クラッチで1カウントフォール奪取!!
外道クラッチで1カウントフォール奪取!!

前にも書きましたが(参照:Uインターの革命 2/2~独自のルール~)、

この末期Uインタールールを最も自分のものにしていたのは、

Gカップスで冬木軍らとの抗争で幅を広げていた、

ヤマケンその人なんですよね。

ちなみのこの外道クラッチについて、

先日のサミット(参照:1972北24条サミット交友録~四十路のUWF道場入門~)でご本人にお聞きしたところ、

ヤマケンさん
「キャメルクラッチからそのままフォールしたら『こりゃあいい!』と思って使ったんだけど、外道クラッチという技は知らんかった。そのうち本人からクレームが入って…」
と(笑)。

何度も対戦しながらこの技自体知らなかったそうです。

しかしフォールだけで試合は終わりません。

ラッシュをかけるヤマケンをかわして、

桜庭はジャーマン。
バックに回るとジャーマンから、

一気に腕十字で極めにかかりますが、

ヤマケン必死のエスケープ。
腕十字でヤマケンエスケープ

桜庭は再びジャーマンでヤマケンを叩きつけて、
再びのジャーマンから、

さらにもう一発狙ったところで、

ヤマケンはバックエルボーから、
もう一回狙うとヤマケンはバックエルボーから、

ジーン・ライディック(参照:Uインター異人史 vol.5)の様な目の覚める高角度ジャーマン!!
ライディックばりの高角度ジャーマン!!

最後は2度目のキャメルクラッチで絞り上げて、

桜庭ギブアップ!!
さらにガッチリ極まったラクダ固めで桜庭ギブアップ!!

終わってみれば普通に名勝負。

高い技術の攻防に選手も仙台のファンも大満足です。
最後は礼

高山vs桜庭と同じ結論になりますが、

やはりこの時代のUインターは“団体内イデオロギー闘争”。

柔術的仕掛けの垣間見える桜庭に対し、

ヤマケンは類稀な身体能力で闘ってる感あります。

いずれにしても純血のUの試合、

それぞれ本当、面白いんですよ。

全部同じ試合じゃないっつーの!!

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tag : 桜庭和志 山本健一

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No title

以前、ヤマケンと桜庭以外の試合ですが
「アマレス経験者からタックルは取れない」
と力説する人がいたのですが、レスリングの試合ならば取れないかも知れませんがこういう試合になるとタックルが取れても全然不思議じゃありません。

そもそもアマレスのように受け手は前傾姿勢ではないし、経験者であればあるほどその姿勢でのタックル切りは難しいですから。

ヤマケンはキングダムではあまり活躍していなかったイメージですが、思い出せば後期Uインターでは先輩喰いをやってたなぁ・・・と思い出しました。
注目を浴びると、それも力になるんだろうなぁと。

>ナリさん

レスリングの試合ならば取れないかも知れませんがこういう試合になるとタックルが取れても全然不思議じゃありません<打撃があるなしでかなり違ってきますよね。
宮戸がかつて言ってましたが、「サクがレスリングだけの男ならもっと学生時代に実績を残していたはず」と。肝心なのはプロのリングにおける応用力なのでしょうね。

経験者であればあるほどその姿勢でのタックル切りは難しい<それだけの対処じゃないですもんね。なる程。

ヤマケンはキングダムではあまり活躍していなかったイメージですが、思い出せば後期Uインターでは先輩喰いをやってた<最後の方は拮抗しつつありましたし、ジャンケンと一緒で得意不得意の相手がありました。
このリーグ戦、ヤマケンは桜庭に勝ちましたが、金原と高山に敗れてます。
桜庭も高山、ヤマケンに敗れて金原には勝ってます。勝ち上がったのは高山でした。

場所が選手を変えるという部分は多々あるでしょうね。

あはは、全部一緒じゃないっすね(^-^;

てか、全部一緒だと思ったのはUより今のノアですね。ノアの方は致命的なくらい同じ試合か多い。

Uの場合は、団体としてあのスタイルをやるのじゃなく、キャラクターとしてあのスタイルの選手が各団体にいたら面白かったような気がしたんですよねぇ~。

>BKっち

あはは、全部一緒じゃないっすね<ははは、お気づき頂けた様ですね。最後の一行だけBKっちへのアレでした。

全部一緒だと思ったのはUより今のノア<最も近々で観た興行ですもんね。
本来違うスタイル持ってるのに、同じ試合内容になっちゃってるのが今のノアでしょうね。
柴田参戦で何かが変わると良いですね。

Uの場合は…キャラクターとしてあのスタイルの選手が各団体にいたら面白かった<レガース履いてキックと関節…各団体に一人は必ずいるキャラですよね。
ただキャラじゃなく、強さをぶつけるのが本来のU戦士の持ち分なんですけどね。

それにしても、あれからもう早2週間ですよ。
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