宮戸語録 vol.28~至高の遺伝子~

改めて思いました。

“至高のプロレスリング”、

1975年12.11 蔵前国技館での、

アントニオ猪木vsビル・ロビンソンがあったから、

私は今でもプロレスに関っていられるんだなぁ、と。
両国国歌吹奏

もちろんキーパーソンは宮戸優光
宮戸優光②

U.W.F.最強の真実 (BLOODY FIGHTING BOOKS)
 U.W.F.最強の真実 より

宮戸
子供心にもの凄い衝撃を受けたのが、小学校6年生のとき。忘れもしない1975年12月11日、蔵前国技館でのアントニオ猪木対ビル・ロビンソンのNWF世界ヘビー級選手権試合だった。
当時、私の家は神奈川県の二宮にあったが、どうしてもあの試合だけは生で観たくて、片道2時間以上かけて蔵前まで観に行った。あの日は試合が終わったが夜10時近かったと思う。帰りは遅かったが、試合の衝撃が凄くて、帰り道もずっと興奮していた。あの試合を観たことで「自分の道はコレだ!」というものが自分の中に芽生えてしまったような感じだった。


プロレスラーを目指すきっかけとなったのが、

この試合だった訳です。

紆余曲折を経たのちに、

悲願成就してプロレスラーとなった宮戸。

現在、主宰しているUWFスネークピット・ジャパンの、

師範としてビル・ロビンソンが存在していますが、

それは入門後、多くの指導者と巡り会って来た中で、

改めてナンバーワンと認識した、

Uインター時代の経験が大きく影響しています。
伝説のシュート両氏

必殺!プロレス激本 vol.4 (双葉社ムック 好奇心ブック 39)
 必殺!プロレス激本 vol.4 より

宮戸
「僕はこの世界に入って、いろんな人に教わった。そういうなかで、この人はすごいと思ったナンバーワンはロビンソンさんなんです。そう思ってるのは僕だけじゃないはずです。今は接点がなくなってしまっているけれども、安生洋二という男はそう思ってるはずです。彼に誰がナンバーワンのコーチかと聞けば、ロビンソンさんと答えると思いますよ」


それまで“神様”カール・ゴッチの印象が強いU系において、

Uインターは旗揚げ一年目に“鉄人”ルー・テーズと出会った事で、

ロビンソンとの縁が結ばれました。

それは宮戸にしてみれば、

もう運命としか言い様のない縁結びでした。
試合後の両雄

今では“プロレス考古学者”ともいえる宮戸ですが、

自身のルーツとなったこの試合を、

以下の様に分析しています。

1976年のアントニオ猪木
 1976年のアントニオ猪木 より

宮戸
「猪木さんはプロである以前にレスラーでありたいから、ロビンソンに技術的に圧倒されたことが許せなかった、というのが僕の見方です。技術で負けて悔しいという気持ちが、猪木さんがあの試合を語らない理由でしょう。日本で行われたロビンソンの数多くの試合の中で、猪木さんとの試合だけはまったくの別物。なぜロビンソンがあそこまで完璧に猪木さんを抑えようとするのかわからない。それほど異色の試合です。プロモーター猪木としては、試合自体が高い評価を受けたから満足でしょうけど、レスラー猪木にとってはまったく気に入らない。悔しいんです。やっぱり自分は強いと思っているから」


単純にレスリング技術で圧倒された悔しさが、

ファンの間で名勝負として語り継がれているこの試合を、

アントニオ猪木自身が多くを語らない理由である、と。

そこには新日の社長…いわば興行主としての想いと、

プロレスラー…チャンピオンとしての悔しさが同居しています。
猪木はしばし呆然

のちのジャイアント馬場さんの完勝劇もこう分析しています。

吉田豪の喋る!!道場破り プロレスラーガチンコインタビュー集
 吉田豪の喋る!!道場破り プロレスラーガチンコインタビュー集 より

宮戸
「たとえば昔のビル・ロビンソンなんてタイプは、プロモーターの言うことなんて聞かないわけじゃないですか。聞かないけど、強くて客が呼べて華がある。だから嫌でもみんな使うわけですよ。馬場さんにツーフォール奪われるまでは、ロビンソンっていうのは一度もツーフォール奪われたことないんですよ。要するに3本勝負で負けたことがない、世界中で。たとえばいまの世界だったら、プロモーターとしてはどうにかしたいと思うでしょ。でも本人がノーって言ったらノーなんだから」

(馬場さんがツーフォール奪ったのは)ロビンソンも晩年でしたからね。ただ、どう言うこと聞かせたかっていうのはあるよね。それはその腕っていうか、プロとしての話でしょうね。馬場さんだからできたっていうのはあるかもしれない。これが、意地張ってどっちが強いかの話になる相手には、やっぱりそういう試合になっちゃう。だから猪木さんとロビンソンの試合って、当時のロビンソンの試合の中でも異質で地味ですよ、ものすごく」


ここら辺りは櫻井康雄さんの見解と一致する部分もありますね(参照:至高のプロレスリング~episode・Ⅷ~)。

ロビンソンにもスイッチがあって、

自分よりも実力が下だと判断した場合には、

スパさんのコメントにもある様に、

「自分の技術をひけらかすようなワンパターンの試合」に終始してしまう。

特に全日においてはジャンボ鶴田をもってしても、

そういう展開に持っていかれてしまったという…。
足を使ってクラッチを切るが、

ただ日本において猪木との60分だけは、

確実に“勝負論”が存在していたのです。

この試合を至近距離から観ていながら、

全く見当違いな自論を説いている人(参照:宮戸語録 vol.13~レフェリー論~)についても、

真っ向から否定をしています。

宮戸
「それこそ高橋本で間違ってるんだけど、あの試合は技の応酬になんかなってないの。お互いカットし合ってるわけ。そういったところが素人はわからないでしょ。だから申し訳ないけど高橋さんも素人だなと思ったの。あるいは意図的にその試合を貶めたくて言ってるのかどっちかなんだけど。プロモーターが表面上言うことを飲ませたように見えても、結局選手は納得してない場合、レスラーはリングでそれを出すからね。だからロビンソンの試合にしても、やっぱりお互い勝ちたいっていうのがあるから、それが試合に出てくるわけです」


この試合が行われてから38年という年月が経過し、

その間に我々プロレスファンは星の数程、

プロレスリングや他格闘技の試合を観てきました。

その積み重ねが、

この試合を改めて見返して感動する目を育て、

一個一個の攻防を分析する脳を育てて来たのです。
強靭なブリッジで返していく猪木

そして私自身にとっても、

この試合の影響によりプロレスラーになった、

宮戸という存在があった事によって、

今でもプロレスを考えるという人生が続いている訳でして…。

これ自体が運命としか言い様がないと思いますね。
IGF首脳陣

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tag : アントニオ猪木 ビル・ロビンソン 宮戸優光

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No title

Uインターにて、ボックとロビンソンがエキジビジョン・・・と聞いた時は高校時代の私には正直
「?」
と思ったものです。
UWF=プロレスが嫌い・・・というイメージがあったので(例の「プロレスという言葉、嫌いな人この指とまれ」のキャッチコピーのイメージ)何で、この人たちを呼ぶんだろ?と。
結局その頭が抜けなかったので、UWFインターのプロレスに対するこだわりってものに結局理解ができないまんま解散しちゃいましたが。

しかし、誰でもそうですがプロレスに強く惹かれたきっかけというものって不思議な縁で出来ているんですね。

私は、中学3年の頃、地元の体育館に新日が来た時に「みんなで行こう」となりまして。
小学校の頃は見てたけど、今のプロレス知らない・・・とか思って行ったのですが最初2階で見ていたら空いてる席を見つけて勝手に前から2列のところで座りました。
そのうちに、栗栖正伸が木村健吾の背中をイスで一撃!
その一撃があまりにもすごくて…
背中は真っ赤、音も威力もすごい。
「どこが柔らかい方で叩いて、手前で力抜いてるだよ」
とか思ってたら健吾は涙目でした(笑)
「鍛え抜かれたプロレスラーですら涙目になるって、相当凄いぞ…!」
と、まんまとプロレス大好きの道へと舞い戻りました。

まぁ、そのおかげで高校時代に初めてのデートでムタvs橋本のIWGP戦が気になって電車で必死に大スポを見るという失態をしたのは懐かしい思い出です。

こんにちは。

この記事とは何も関係ありませんがナリさんのコメントで栗栖の名前を見つけて思い出した事がありました。それはイス大王と呼ばれ新日本に参戦していた頃、自分のイス攻撃の事を「これが、俺のストロングスタイルだ。テメェラ普通の人間に出来るか」と吠えた事です。これNOSAWA論外とかいう奴のKAMINOGEの記事、栗栖が見つけたらボコボコですよね。

馬場VSロビンソン考

馬場VSロビンソンも結構興味深くて、ロビンソンが取った一本はジャパニーズ・レッグ・クラッチ(逆片エビ)による馬場の速攻タップなんですよね。

あの一本で、見る人が見ればわかるでしょ的な感じで馬場に2フォールをくれてやったような気がします。馬場が取った二本は明らかにプロレス内プロレスのフィニッシュで、ロビンソンの逆片エビはそれを超越した瞬間そのものでしたから。

馬場さん対ロビンソン

スパさん、
オラも馬場さん対ロビンソン観たんですが、二本目の速効タップは三本目にダメージを残さないための馬場さんの戦略って見方も出来ちゃうんですよね。その前のワンハンドバックブリーカーも説得力ありましたし、最小限のダメージで抑えるためだって言われると納得出来ちゃうんですよ。

同じ試合で全く違う見方が出来る試合だとつくづく感じましたね。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

>Hさん

コメントありがとうございます。

自分の記憶も曖昧なんで馬場VSロビンソンを見返してみましたが、逆片エビの絞りは明らかに尋常ではなく、極めにいって極まった技だと思いました。ただ、その前の足殺しは普通のプロレスの文脈に沿ったものなので、ガチに走ったとか言うつもりはありません。

このフィニッシュの唐突さは、倉持さんも『オッ!!』と絶句し、山田さんも『ちょっと意外ですね。なぜあんなに簡単に取られたかわかりませんね』と解説してることからもわかるかと思います。
Hさんご指摘のワンハンドは3本目でしたね。

プロレスは見る人それぞれの見方ができて、答えも百人いれば百通りでいいんだと思います。
それをぶつけ合うのが楽しいわけで。

馬場VSロビンソンは、猪木VSロビンソンとはもちろん趣きが違いますが、語るべき試合だと思います。ニコ動で見れますので、興味のある方はぜひ。

>ナリさん

ボックとロビンソンがエキジビジョン・・・と聞いた時は高校時代の私には正直「?」と思ったものです<この辺り前年末から接触してきたテーズの強い推薦が有った様で、ロビンソンは文句なしだったんですが、相手が見つからず止むを得ずのニック起用だったそうです。

UWF=プロレスが嫌い・・・というイメージがあったので…何で、この人たちを呼ぶんだろ?と<ここら辺りは宮戸の独断もあったんでしょうね。
新生時代のプロレス≦格闘技路線からUインターは完全にプロレス>>>>>>>格闘技となりましたしね。

中学3年の頃…栗栖正伸が木村健吾の背中をイスで一撃!<ああイス大王の頃ですね。
本当の意味でのヒールを突っ走っていました。私、栗栖のストンピングも好きでしたよ。

初めてのデートでムタvs橋本のIWGP戦が気になって電車で必死に大スポを見るという失態<プロレスファンあるあるっちゅうやつですな(笑)。
私も19の頃付き合ってた子が全くのプロレス嫌いで、その手のエピソード結構ありますよ。

>aliveさん

こんばんわ。

イス大王と呼ばれ新日本に参戦していた頃、自分のイス攻撃の事を「これが、俺のストロングスタイルだ。テメェラ普通の人間に出来るか」と吠えた事<ナリさんへのコメ返でも書きましたが、もう一個、ストンピングが好きでした。
イスもそうですが、プロのストンピングって、「いかに大きな音でダメージを“与えてる様に見えるか”」って部分があるらしいですけど、栗栖のは一切そういうの関係なしですもんね。

これNOSAWA論外とかいう奴のKAMINOGEの記事<あれは私も憤り感じました。
しかも鈴木まで黙認してるじゃないですか。
表面上そう言ってても実はやってると言う選手はたくさんいましたけど、論外の場合は本当にやってない感じ出てますもんね。
小鉄さんなら黙ってませんよね。

>スパさん

ロビンソンが取った一本はジャパニーズ・レッグ・クラッチ(逆片エビ)による馬場の速攻タップ<極めに行くまでのパターンが素晴らしいですよね。

見る人が見ればわかるでしょ的な感じで馬場に2フォールをくれてやったような気がします<そこら辺りがイマイチ評価を低くしてる原因でもあるのかも知れません。

>BKっち

二本目の速効タップは三本目にダメージを残さないための馬場さんの戦略って見方も出来ちゃう<角度を変えると違うものが見えてくる…全くプロレスって面白いですよね。

16日はこういった話で盛り上がりましょう。

>○○○○○さん

大変失礼しました。

以前、知らせて頂いてからこれまでの間、変わらぬお付き合いありがとうございます。

いつかはきっと…その時は宜しくお願い致します!!

>スパさん

逆片エビの絞りは明らかに尋常ではなく、極めにいって極まった技だと思いました<猪木戦でも時折、厳しい攻めに転じる場面ありますが、ロビンソンの試合の肝ってそこなんでしょうね。

倉持さんも『オッ!!』と絶句し、山田さんも『ちょっと意外ですね。なぜあんなに簡単に取られたかわかりませんね』と解説してることからもわかるかと<そこら辺の深読みも面白さのひとつですね。

それをぶつけ合うのが楽しい<そういう方々に支えられて、このブログが成り立ってると思います。

馬場VSロビンソンは、猪木VSロビンソンとはもちろん趣きが違いますが、語るべき試合<以前、病弱者さんがコメント下さった馬場さんの脳天チョップの場面とか、ハイライトの多い試合なのは確かですよね。

No title

栗栖のストンピングの話が出たので・・・
永田裕志が、ストンピングをする時は栗栖を意識しているそうです。
週刊ゴングの付録DVD(後楽園7連戦での橋本vs栗栖)で金沢さんが言ってたような?
キラーカーンも同じようなフォームでストンピングしていたはず。
子供の頃、よく真似してましたから分かるんです(笑)


倉持・山田といえば、
「おや、これはだれでしょうか?
ウエスタンハットをかぶった大型の男」
「ハンセンですよ!」
という、大人になってから初めて見たハンセン全日初登場でのやりとりが印象的です。
以前見た本で、どなたか忘れましたが、
「本当に『ウエスタンハットをかぶった大男』を見て、即座に『ハンセン』といえなきゃ勉強不足(笑)」
とツッコミを入れてましたが、そういう演出?を見せるのも名コンビたる所以だったかも。

>ナリさん

永田裕志が、ストンピングをする時は栗栖を意識しているそう<フォームはそうなのかも知れませんが、あの栗栖の踏みつけた後の感じが違うんですよね。ちょっと文字で表し辛いのですが。

週刊ゴングの付録DVD<それ私も持ってますが、内容すっかり忘れています。

子供の頃、よく真似してましたから分かるんです(笑)<なる程。
他には全日時代に長州が脇腹痛めたときにジャンボに打っていったストンピングもあれに近いんですよね。ただあの時は高く飛んでのストンプですので、またちょっと違うんですよね…ってかなり細かい話になってますね(笑)。

「おや、これはだれでしょうか?ウエスタンハットをかぶった大型の男」
「ハンセンですよ!」<これはもう乱入に対するプロの実況でしょう。ある部分でのトボケって絶対必要ですもんね。
昭和の全日中継の実況ってこういう部分が好きでした。

違った部分でのマサさんのトボケも味がありましたけどね(笑)。

No title

こんにちわ

ブログを読ませていただきました。

とても面白いですね~

更新を楽しみにしています


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>mithufourさん

おはようございます。
ありがとうございます。

再度、宣伝お疲れ様です。
頑張って下さい。
紫レガとは?

紫レガ 

Author:紫レガ 
45歳のプロレス話


長州、これは俺のブログだ。

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