“60億分の1”の男

前の記事で辛口な事ばかり書いてしまいましたが、

桜庭本、面白い部分も多々あります。
桜庭和志COMPLETE―20TH ANNIVERSARY (B・B MOOK 966)

その一つが、

“60億分の1の煽りVアーティスト”佐藤大輔が語る桜庭和志論です。
グレイシーハンター桜庭

桜庭が国民的英雄になった舞台は、

間違いなくPRIDEという場ですが、

それは、ただ高い技術で勝ち続ける事だけが、

その理由ではなかったと思います。

あのフジテレビが優良コンテンツとして、

K-1以上に力を注いだ結果でもあると思います。

映像班、フジテレビ最大の功労者は、

間違いなく佐藤D氏だったのです。

 桜庭和志COMPLETE―20TH ANNIVERSARY より

佐藤D氏
「桜庭さんの煽りVは思い出深いものばかりです。後期は純文学もどきみたいになっていきましたよね。最初はヒーローをストレートに煽るという時期があって、悲運のヒーローとしての時期があって、最後はもう純文学ですよ。スター格闘家の誕生から晩年までを、ファンに初めて全部見せきったわけです」


PRIDEと出会った事がきっかけとなり、

最終的に佐藤D氏はフジテレビという大手企業を辞めて、

唯一無二の“煽りVアーティスト”の道を歩んで来ました。
「ボコボコにしてやる」

佐藤D氏曰く“純文学的な近年の桜庭”の魅力は、

徐々に競技として成熟した日本のMMAにおいて、

今だに徹底して一本勝ちを狙って行く、

ギャンブラーっぷりにあります。

佐藤D氏
「判定は狙わないし、短気な部分も見えるファイトスタイルとも相まって、桜庭さんの試合というのは死の香りとともにあるんですよ。『もう壊れてるんじゃないか?』『死んじゃうんじゃないか?』というところのなかで、極めの力は相変わらず凄いから、ハマったら絶対に勝つ」


佐藤D氏の凄さは、

マッチメイクが出来上がった時点で、

そのカードの幹となるテーマを、

煽りVというたかだか数分間のストーリーの中で、

観る者全てに刷り込んでしまうという部分ですね。
ヒクソンが語るグレイシーの信念

さらにそこへUWFが絡んでくると、

その変態性(?)は全開となる訳です。
UWF終結

佐藤D氏
「あとおもしろかったのは田村戦ですね。あれはぼくにとってはすごく思い出深い。否の部分はプロレス業界側からの反応ですよね? なぜこのカードが『因縁の対決』なのか、新しいファンの人たちにはわからなかったんですよ。なので理由をちゃんと示した方がいいと思ったんです。また、あのVをよく見ていただくと皮肉な要素も込められていて、PRIDEという真剣勝負の世界を切り拓いて彼は大きくなって、彼自身が太陽になったが、傷だらけの太陽になってしまった。結局はひとりぼっちでPRIDEからも離れたというなかで、田村潔司はUという理念をしっかりと受け継いで、彼の周りにはU-FILE CAMPという家があって、自分が愛してきた先輩との日々をもう一度後世に残すべく、志を同じにした仲間がいる。果たして桜庭と田村とどっちが本当の頑固者で、どっちの道が幸せなんだろ? という作りになってるんです」


この芸術性の押し売りこそが、
田村vs桜庭煽りV30

まさしく佐藤D氏の真骨頂ですね。
田村vs桜庭煽りV29

この作品での二人の関係性については、

手前味噌ながら私の解釈(参照:家~his home~)でほぼ当たっていたのかなぁ…なんて。
田村vs桜庭煽りV33

その佐藤D氏が自らの作品の中から選んだ、

“泣ける煽りV”は意外なものでした。

佐藤D氏
「自分で作ってて泣けたのはマヌーフ戦の『職業、桜庭和志』というV」


2008年6.15 横浜アリーナ

DREAM.4 ミドル級GP2008 2回戦

桜庭和志vsメルヴィン・マヌーフ
でしたか。
桜庭和志vsメルヴィン・マヌーフ

桜庭にとっては2008年大晦日、

田村潔司戦(参照:田村は田村、桜庭は桜庭、UはU~前編~~後編~)の前の試合、

苦い思い出が詰まった一戦です。

ちなみに私がこれまでで最も泣けた煽りVは、

PRIDE無差別級GP1回戦のミルコvs美濃輪です。

内容については各自調査という事でお願いします(笑)。

インタビューの中で佐藤D氏は、

残り僅かな桜庭の現役生活について、

こう語っています。

佐藤D氏
「『引退してほしいっていう気持ちがあるか?』といえば、当然あります。なぜかといえば、それ言うと本人怒るんですけど、引退試合の煽りVを作りたいから(笑)」


そして桜庭の答えは…、

桜庭
「嫌だ! まだやる!」

 
まさに思った通りの返答(笑)。

柴田勝頼のプロレス復帰がほぼ成功した今、

残り時間僅かな桜庭のMMA復帰が待ち遠しいです、

正味の話!!

さらに今号のKAMNOGEでは青木真也も交えての直接対決を読む事が出来そうです。

KAMINOGE vol.22
 KAMINOGE vol.22 より

風立ちぬ、いざ生きめやも。
「創造的人生の持ち時間」

[INTERVIEW]
桜庭和志×青木真也(立会人/佐藤大輔)

桜庭和志・プロ20周年、
いまプロレスに熱中できているか?

青木真也・プロ10周年、
いま誰かを愛せているか?

(佐藤大輔はDREAMを本気で煽れていたか?)

そして--。
「創造的人生に終わりはあるのか?」


KAMINOGEならBBM社のとは一味も二味も異なる、

桜庭20周年インタビューが読めるでしょうか。

楽しみな事この上ないです。

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tag : 桜庭和志 佐藤大輔

comment

Secret

おっ!

私もミルコvsミノワマンの煽りVが1番好きなんですよ!

私はプロレスラーになりたかった人なのでグッときましたね。
今のプロレスラー基準だったら、きっと私もなれたんでしょうけど 苦笑
でも我々が子供の頃は誰にでもなれるわけではなかったですよね?
まさしくプロレスラーは超人でした…てか、今も本来はそうじゃないと駄目という考えです。

今の時代の流れとは真逆にミノワマンはプロレスラーとして実直に強さと向き合っていますよね。
私にとって理想のプロレスラーと言えます。
ちなみに本人は今、マジでUFCを目指しているということです。

ミノワマンの煽りVではキン肉マンエピソードがよく盛り込まれますよね。
(あっ、ちなみにミノワマンはミルコ相手に『肉のカーテン』らしきディフェンスをやっていました)
「キン肉マンみたいなプロレスラーになりたい」なんて私も同じなんで笑っちゃいますよ!笑
プロフィールの尊敬する人物の欄にキン肉スグルと書いていたぐらいで 笑

ミルコ戦の煽りVではミノワマンを自分に置き換えて見てしまいます…。
…バカバカしい話でしょ?笑
自分でもわかってます!(キッパリ)

古いプロレスファンは基本的にセンチメンタル野郎ばかりじゃないですか?笑
佐藤さんはそういった人達の感情を引き出すのが凄く上手いですよね。

ちなみにミノワマンの他の煽りVで好きなシーンといえば…
富士山頂でミノワマンが岩を崖の下(?)に放り投げた後、その岩がどうなったか気になってしまい、そーっと下を覗きに行くシーンです 笑

>宮戸ゲノムさん

私もミルコvsミノワマンの煽りVが1番好きなんですよ!<トーナメントという本来なら公平であるべき場でのあのショートストーリーは完全に入っちゃいましたね。でもミルコ側からも思い入れのこもった物にもなってるんで、あれこそ佐藤Dマジックでしょうね。

私はプロレスラーになりたかった人なのでグッときました…我々が子供の頃は誰にでもなれるわけではなかった<先日の健介ファミリーの件にも言えますが、やっぱり普通じゃない世界というか、一般常識が一つも通用しない世界だと思っていた訳ですよね。
だから私の場合、以前GA9さんとお会いした時にもお話したんですけど、「プロレスラーは超人、デビューしなくても道場に入門した時点で五輪金メダリスト以上の存在」なんです。

私にとって理想のプロレスラー…ちなみに本人は今、マジでUFCを目指しているということです<これだけ整備されたUFCという世界にミノワマンみたいな選手が入っていったらどうなるか楽しみですね。

「キン肉マンみたいなプロレスラーになりたい」なんて私も同じなんで笑っちゃいますよ<現在格闘技界で活躍する選手の多くにそういった思考の方たくさんいらっしゃいますよね。決して馬鹿馬鹿しくないと思います。

富士山頂でミノワマンが岩を崖の下(?)に放り投げた後、その岩がどうなったか気になってしまい、そーっと下を覗きに行くシーン<特訓シリーズは私、全部好きですよ(笑)

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>○○○○さん

この方、PRIDEに関わっていきたいがためにフジテレビを退職した人なんですよ。家庭もありながら。凄い人なんです。

そして今回、胸張ってフジ凱旋ですもんね。凄い人です。
紫レガとは?

紫レガ 

Author:紫レガ 
44歳のプロレス話


待て待て待て待て!! 読め!! 俺の記事をこの野郎!! 待て貴様ぁ!!

どーですかぁーーーー!!

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